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【文楽補助金凍結解除】文楽協会と橋下市長が公開意見交換会

12.10/05

3日、文楽協会に対する大阪市の補助金削減をめぐり、同市の橋下徹市長と文楽の技芸員47人が大阪市役所で初の公開意見交換会を行った。橋下市長が求める補助金使途の透明化等に技芸員らは大筋で合意。これを受けて市長は、示唆していた今年度の補助金3,900万円の凍結を解除する考えを表明した。

補助金凍結をめぐっては、今年6月、「文楽協会が回案を拒否した」として市長が補助金凍結を示唆、これを受けて7月には文楽技芸員でつくる「人形浄瑠璃文楽座むつみ会」総会で、市長へ非公開‌で話し合いを求める方針を決定、8月に公益財団法人文楽協会も非公開討論会を求めたが、市は「10月中旬までに公開討論に応じなければ補助金は交付しない」と通告した。その後、むつみ会、文楽協会ともに公開討論を受け入れた。補助金は、市長の進める改革の一環として、前年度比25%削減となった。

意見交換会で市長は、協会運営費として一定額を市が毎年支払う仕組みを問題視。協会や技芸員に観客を増やす動機付けの必要性を指摘し、事業ごとに審査・助成する仕組みへの転換を要求した。また、補助金凍結解除の条件である「使途の透明化」については、領収書の提出、ベテラン技芸員の収入になっている協会の「養成費」を若手へ分配、観客を増やすための新事業の展開を求めた。

これに対し、技芸員らは「透明化は必要だ」「協会として何ができるか考えたい」として合意したものの、「若手に教えることで手一杯で、新たな事業をする時間はない」「公演で一年のスケジュールは決まっている。これ以上、新しい公演を増やすのは難しい」といった声も上がった。一方で、「PRを(自分たちで)やりたい」などの前向きな意見もあった。

また、「養成費」の若手分配について、技芸員らは生活費と経費の区別を困難とする意見も上がった。60代の技芸員は「45年やってきたが、年収は400万弱。人間国宝も年収は大したことはない」と明かし、若手技芸員は「月給が10万しかないのに、三味線の道具代に10万かかる」と語った。

意見交換後、大夫の竹豊咲大夫(たけとよ・さきたゆう)氏は会見で、「市長が補助金の在り方をかみ砕いて説明してくれたのでよく理解できた」と話した。人形遣いの吉田玉也(よしだ・たまや)氏は「(補助金の在り方の変更について)高いハードルを与えられた。出来るところから取り組みたい」と語った。

◎関連サイト◎
大阪市:文楽補助「今年度継続」 橋下市長、使途透明化で合意|毎日.jp

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