公益社団法人企業メセナ協議会は4日「メセナ アワード 2012」を発表、「メセナ大賞」はアサヒビール株式会社に決定した10年に渡り実施してきたアートプロジェクト「アサヒ・ア ート・フェスティバル(AAF)」などが評価された。

「メセナ アワード」は、企業によるメセナの充実と社会からの関心を高めることを目的に、1991年に創設。創設時は「メセナ大賞」だったが、2003年よりメセナ大賞部門・文化庁長官賞部門の2部門からなる現在の「メセナ アワード」に改称された。毎年、自薦・他薦にて全国各地から広く対象活動を募集し、最も高く評価された 1 件に「メセナ大賞」を贈呈。他の賞については、特に評価の対象となった点を賞名に反映している。

今回メセナ大賞を受賞したアサヒビール株式会社は、全国の市民グループやアートNPOなどとともに、2002年に「アサヒ・ア ート・フェスティバル(AAF)」をスタート。地域の魅力を引き出し、コミュニティの再構築をめざすこのアート・プロジェクトは、 10年目を迎えた2011年に発生した東日本大震災に際して大きな力を発揮した。地震発生から一週間後の3月18日に「アートによって結ばれた仲間たちを応援するために」と題したAAF支援宣言を発表、人的支援や活動支援募金、また宮城県南三陸町で行われていた「きりこプロジェクト」を全国展開などを実施した。同年夏には「世界ネットワーク・プロジェクト」を始動、そのネットワークはアジアへも拡大している。こうした多用な支援・協働や、幅広い活動の成果をアーカイブ化し発信していくことが評価され、メセナ大賞の受賞となった。

このほか「文化庁長官賞」には、NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)活動が評価された東日本電信電話株式会社が決定した。

◎「メセナ アワード 2012」選考結果◎
【メセナ大賞部門】
■メセナ大賞
アサヒビール株式会社 (全国)
アート NPO の活動基盤強化への多様な支援と協働

■歴史をひもとく賞
キヤノン株式会社 (京都ほか)
「綴プロジェクト」の実施

■文化の映写機賞
株式会社千葉銀行 (千葉県)
ちばぎんフィルムライブラリー

■支援のこころ賞
トヨタ自動車株式会社 (東北各県)
「ココロハコブプロジェクト~芸術・文化を通した復興支援活動~」

■四季のそよかぜ賞
株式会社帆風 (青森県・八戸)
帆風美術館の運営

■未来のうけざら賞
三菱地所株式会社/株式会社イムズ/株式会社西日本新聞社 (福岡県)
三菱地所アルティアムの運営、展覧会の企画

【文化庁長官賞部門】
■文化庁長官賞
東日本電信電話株式会社 (東京都)
NTT インターコミュニケーション・センター [ICC] 活動

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