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「新しい人に出会いたい」演劇動画で挑む、ヴィレッヂの新たな挑戦

14.12/22

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「新しい人に出会いたい」演劇動画で挑む、ヴィレッヂの新たな挑戦


『劇団☆新感線』を手がける株式会社ヴィレッヂが、劇団の枠を超えた自由な発想で観劇人口増加へのアクションを起こしている。同社が手がける演劇系動画のニュースサイト『エントレ』と、同サイトが主催する15分・ノーカットの演劇動画を競う『クォータースターコンテスト』。2012年に始動したこれら“演劇の動画”によるコンテンツで、新しい観客との出会いを日々模索するヴィレッヂ・プロダクツ部の糸永伸さん、森脇孝さん、長谷川美津子さん、山谷真紀子さんに話を聞いた。〈写真右より糸永さん、山谷さん、長谷川さん、森脇さん〉(編集部:永滝陽子)

『エントレ』
株式会社ヴィレッヂが運営する、舞台・演劇に関するニュースを動画で撮影・編集し記事として配信しているサイト。ゴシップを排除し、演劇ファンに向けたストレートな演劇情報を伝えている。2012年オープン。
『クォータースターコンテスト』(QSC)
WEB上に投稿された15分・ノーカットの演劇動画を競う大会。2012年からスタート。コンテストの主なルールは「12分0秒以上、15分0秒以下の演劇動画にすること」「カメラは1台のみを使用し、動画編集をしないこと」「活動地域、演劇歴は不問。誰でも自由に参加OK」。今年行われた第3回大会では、グランプリに週刊パラドックスの『会話劇2014』、優秀作品賞にあやめ十八番『江戸系 紅千鳥』Moratorium Pants『ヒットナンバー』が選ばれた。グランプリには賞金30万円が贈られる。

 

3回目で辿り着いた「授賞式」と「懇親会」

—今年で3回目の開催となったクォータースターコンテスト(以下QSC)。84本の参加作品からノミネートに選ばれた13本は、じつにバラエティに富んでいて「これが演劇なの?!」と衝撃を受ける作品もありました。3回目にして初の授賞式も行われました。
第3回クォータースターコンテスト 授賞式

(画像: 第3回クォータースターコンテスト 授賞式)
 
糸永:何と言っても今回の成果は授賞式と懇親会ですね。よく担当の森脇がこの企画を押し切ったと(笑)。参加してくれた皆さんが予想以上に盛り上がってくれましたし、1回、2回と続けてきて3回目でまた新たなチャレンジができたように感じています。

森脇孝さん

森脇:実は懇親会のアイディアは、王子小劇場の「佐藤佐吉演劇祭2014+」(※)からなんです。『エントレ』でも演劇祭の記者発表を取材したんですが、その後の懇親会ではいろんな劇団の人たちと話ができたのが楽しくて。「これはいい!」と参考にさせていただきました(笑)。

長谷川:授賞式で直接皆さんと触れ合えたおかげで、参加者にとってQSCが切磋琢磨する場になったということがとても実感できて、大きな収穫かなと思っています。

※「佐藤佐吉演劇祭2014+」王子小劇場(東京都北区)が開催する「より多くの観客に観てほしい作品」を集めた演劇の祭典。2014年は複数の関連プログラムも企画し、演劇祭を通して様々な視点で舞台芸術を見つめる姿勢を打ち出していた。

 

「全国の演劇ファンは、演劇をやっている人」

—第1回目のQSCは2012年に開催されました。当時QSCの企画意図はどこにあったのでしょうか?
糸永伸さん

糸永:2012年3月に、まず先にQSCの母体となる『エントレ』がオープンして、その後も森脇は「映像を使った演劇企画をやりたい」と企画書を書き続けていました。そこに元演劇ぶっくで現在は演劇ライターの園田喬しさんも加わって、何か違った視点で新しいことができるんじゃないかなと。

森脇:僕がQSCでやりたかったことは、全国どこにいても同じルールで作品を作って「どうだ!」とみんなで一斉に闘うということでした。動画ならそれができるし、楽しいんじゃないかと思ったんです。全国から突然面白い劇団が現れて「お!東京のやつより面白いじゃないか!」と度肝を抜かれるような体験がしたかったんですね。

—実際に、第2回大会では静岡の劇団がグランプリを獲り、3回目では沖縄や北海道など全国からの参加者も増えました。

糸永:『エントレ』は「全国の演劇ファンに演劇の映像を届ける」というコンセプトで出発しましたが、当時なかなかアクセスが伸びなくて、「全国の演劇ファンってどこにいるんだろう?」と深夜によく森脇と話をしていました。それで出た結論は「全国の演劇ファンは、演劇をやっている人じゃないか!」と。「演劇をやっている人が演劇を見に行く」という、小さいけれど確実に存在する一つの循環が見えてきて、“全国の演劇ファン”を探すなら“全国の演劇をやっている人”を探すほうが確実なんじゃないかと。もう、演劇を見るだけのファンを探す方が大変ですから(笑)。それよりも数は少なくても「演劇やってます」という人を捕まえる方が早い。もしその人に10人のファンがいれば、その10人には僕らがやっていることも伝わるかもしれないですから。

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