制作ニュース

矢作勝義の「劇場オープンまでの長い道のり from 豊橋」Vol.12

13.04/10

連載開始から1年が経ちました!ほぼ完成した劇場の中では、チケットセンターの運営や、備品類の管理などが進んでいます。4月30日が開館記念式典、そして5月1日がグランドオープンとのことで、「劇場オープンまでの長い道のり」は来月いよいよ最終回!昨年の4月に豊橋市に居を移し、この連載が始まり、そして劇場オープンのためにあれやこれやをやっているうちに、あっという間に一年が過ぎてしまいました。
さて、4月に新年度を迎えて、劇場周辺でも人事異動などがありました。これまで携わってきた方が退職や異動することもあれば、新しい人や劇場計画の立ちあげに携わっていた方が戻ってきたり。劇場の制作スタッフに関しては3月には予定されていた人たちが揃って様々な準備を進めてきました。穂の国とよはし芸術劇場は、思いのほか内覧会が多く、2月、3月、4月と様々な方を対象として内覧会を行っています。さらには、4月末に一般市民向け内覧会を土日の2日間で計8回という人気アイドルのようなハードスケジュールが組まれています。

4月の人事異動で大きく変わったのは、我々と共に劇場で働くスタッフに豊橋市の文化課職員の方が2名、デスクを構え始めたということです。大人の事情のため、財団への派遣ではなくあくまでも市職員として運営管理事務室にデスクを構えているという形式なのです。かれらを迎えるため、まずは机の上に溜まっていた書類や道具を整理してスペースを確保しました。同時に、まだ着任されないことをいいことにチラシや備品などの荷物置き場になっていた館長室も本来の目的で使用できるように整理しました。もともと制作系のデスクは、フリーアドレスができるようなスタイルにしていたので、とても開放的というか、正面に座っている人と目線が合いやすく恥ずかしいという声が上がるほどです。

それからもう一つの大きな変化は、オンラインだけだったプラットチケットセンターで電話予約の取扱いが4月1日から始まったことです。チケットセンターの運営は想像以上に大変ですね・・・なんて人ごとのようなことは言ってられないのですが。これまでは、全員が8時30分〜5時15分勤務の土日祝休みが基本だったのですが、チケットセンターは10時〜19時の営業ということと、5月からの開館への準備もあり、施設としては4月中は無休の8時30分~20時15分までのシフト勤務体制に移行しました。

写真は、施設の中央にある交流スクエアから事務所を見たものです。ここで、施設の貸出受付やチケットセンターのカウンター業務を行います。奥に見える窓の向こうを電車が通過していきます。一番近くを走る渥美線は乗っている人と目が合うほど近くを走って行きます。
さて、私を除いた6名のスタッフでシフトを組むと、基本的に2人は休みで、残りの4人で基本業務を行うことになります。その内の一人が遅番になると午前中は3人でチケットセンターの電話対応なども含め業務を行うことになります。5月になると財団の本部からの合流組と、受付アルバイトの人が加わるとしてもなかなかタフな状況が予想されます。施設貸出の対応、チケットセンターの店頭対応、そしてプラットを中心とする劇場で行う公演事業や学校へ出向いての教育普及事業。これまで実施してきた市民文化団体に関連する事業など。多岐にわたった事業を限られた人員で実施することになります。
開館までに済ませなければならない事の一つに、備品類の管理というものがあります。豊橋市が建設した建物なので、備品類の管理も市のルールに従い、市で用意した備品シールを貼るとともに、登録管理をしなければなりません。対象は、単価がある一定の金額以上のものなので数は限られているのですが、いわゆるよくあるラベル用紙なので、照明機材など熱をもつものや対象外の物などのために、プラットのシールを作成し、こまごまと貼っています。

3月は音響テストコンサートを実施したことを書きましたが、こんどは創造活動室E・F・Gという3つのバンド練習室を地元の愛知大学のジャズ研究会にお願いして、実際に使ってみてもらいました。

実際に使ってみての意見を聞くと、当初考えていたレイアウトではちょっと不都合があることが確認できたので、機材のレイアウトを変更することにしました。キーボードスタンドの高さを直したり、ケーブルの表示を加えたりすることにしました。また、このような備品が備えられていると良いという意見なども貰い、開館までに解決すべき課題をいただきました。開館までに、もう少しハードに音を出すタイプのバンドにも来て貰いたいと思っています。
それと稽古場でもある創造活動室Aに客席を組むための備品が納品されました。これは最後まで粘ってお願いして導入することができました。写真では少し段差が低いので、ダンスなどの場合はもう少し段差をつけるようなバージョンを検討する必要があるかもしれません。しかし70〜80席の客席が組めるものを備えることができたのはとても大きく、この部屋を使っての公演の企画を進めやすくなりました。

開館まで残りあと1ヶ月を切りラストスパートです。外構工事の一部や、細部の手直しの工事などもまだ多少残ってはいますが、ほぼ完成した建物も2月に建物に入り始めた頃に比べて、空気が馴染んできたような気がします。

劇場内もテストコンサートや様々な仕様のテストなどを繰り返し、新品感が溢れていた状況から比べ、少しずつ傷が付いたり、汚れてきたりしてスタッフの手に馴染んできた感じがします。写真は、夜に施錠確認で見回りをしていたときの客席です。

誰もいない劇場はとても静かで雰囲気があり落ち着きます。単純に作業灯を点けただけなんですけど。建設現場に関わっていた人も、この劇場は特に嫌な感じがする場所は無かったそうです。もともと私は霊感は全くないので関係ないのですが。
さて、4月30日の開館記念式典、そしてオープニング事業に向けて本当に最後の追い込みです。


■矢作 勝義(やはぎ・まさよし)■
1965年生まれ。東京都出身。公益財団法人豊橋文化振興財団『穂の国とよはし芸術劇場PLAT』事業制作チーフ。東京都立大学(現・首都大学東京)演劇部「劇団時計」から演劇に本格的に関わる。卒業後は、レコーディング・エンジニアを目指しレコーディングスタジオで働き始めるが、演劇部時代の仲間と劇団を旗揚げするため退職。劇団では主宰、演出、音響、制作、俳優を担当。ある忘年会で、当時世田谷パブリックシアター制作課長だった高萩宏氏(現東京芸術劇場副館長)に声を掛けられ、開館2年目にあたる1998年4月から広報担当として勤務。その後、貸館・提携公演などのカンパニー受入れや劇場・施設スケジュール管理を担当するとともに、いくつかの主催事業の制作を担当した。主な担当事業は、『シアタートラム・ネクストジェネレーション』、『リア王の悲劇』、『日本語を読む』、『往転-オウテン』など。また、技術部技術運営課に在籍したり、教育開発課の課長補佐を務めるなど、世田谷時代は劇場の何でも屋的な存在としても知られた。2012年3月末をもって世田谷を退職し、2013年5月オープン予定の“穂の国とよはし芸術劇場PLAT”の開館準備事務所にて事業制作チーフとして勤務中。


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