女優の山田五十鈴（やまだ・いすず、本名：山田美津＝やまだ・みつ）さんが9日、多臓器不全のため都内の病院で死去した。享年95歳。

山田さんは、1917年大阪府出身。新派俳優の山田九州男（くすお）の長女として生まれ、1930年に日活に入社し、「剣を越えて」（渡辺邦男監督）で映画デビュー。その後、第一映画、新興キネマ、東宝と映画会社を移籍しながら「浪華悲歌（なにわエレジー）」（1936年／溝口健二監督）、「流れる」（1956年／成瀬巳喜男監督）、「蜘蛛巣城」（1957年／黒澤明監督）、「東京暮色」（1957年／小津安二郎監督）など多数の作品に出演し、映画界を代表するトップ女優として名を馳せた。

1963年に東宝演劇部の専属となり、『たぬき』（1974年）や『太夫（こったい）さん』（1983年）で芸術祭大賞を受賞するなど舞台女優としても活躍し、生涯の舞台出演は約200作品に及んだ。水谷八重子さん（初代）、杉村春子さんとともに三大女優の一人に数えられ、映画と演劇の両部門で芸術選奨文部大臣賞を受賞。また、朝日放送「必殺」シリーズなど、テレビドラマにも多数出演した。

1993年に文化功労者を、2000年には女優では初となる文化勲章を受章した。

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