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拠点持ちアーティストの理想と現実-トーク・レポート-

15.07/17

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トークイベント「城を持ったアーティスト~拠点持ちアーティストの理想と現実~」レポート

黒澤世莉さん(中央)

黒澤世莉さん(中央)

劇団「時間堂」は、スタジオ「toiroan 十色庵」(北区赤羽)のオープン1周年記念イベント内にて、スペシャルトーク「城を持ったアーティスト~拠点持ちアーティストの理想と現実~」を6月29日に開催した。東京都内にスタジオを主宰する5人(時間堂&ゲスト)が、それぞれの具体的な事例とその想いを語る会となった。

⇒ toiroan 十色庵 オープン一周年イベント 開催のお知らせ

「toiroan 十色庵」は、時間堂が昨年6月より拠点とするスタジオ。旧カラオケスナックの居抜き物件(旧店舗の内装そのまま賃貸)で、劇団自らの手で大幅にリフォーム。稽古場利用のみならず、定期的なワークショップの実施や、叩き場などとしても活用している。今回のトークイベントは、時間堂が「同様の活動をしているアーティストや劇団の先輩の方々をお呼びして、『拠点を持って初めてわかったこと』などの経験を広く共有したい」という趣旨で行われた。

全体

<ゲスト登壇者>(画像左より)
・竹田哲士さん(電動夏子安置システム主宰)
・倉迫康史さん(Theatre Ort主宰/たちかわ創造舎チーフ・ディレクター)
・広田淳一さん(アマヤドリ主宰/スタジオ空洞運営委員長)
・得丸伸二さん(文学座所属/TBスタジオ主宰)
<進行役>
・佐伯風土さん(SPAC – 静岡県舞台芸術センター)
※時間堂からは黒澤世莉さん(主宰)と大森晴香さん(プロデューサー)がホスト&トーカーとして参加。


演劇スクール講師から公演の制作、演出、仕込み、照明・音響のオペまで、すべてを一人で!

「toiroan 十色庵」から徒歩5分の場所に、得丸伸二さん(文学座所属俳優)が個人で所有する拠点「TBスタジオ」がある。得丸さんは「(一般論として)集団が『演劇では食えない』ことはハッキリしてきたが、はたして個人では何とかなるのでは」と、8年前に単独でのスタジオ所有を決意。23区内・駅から徒歩5分以内の物件を探し、南北線志茂駅(北区)徒歩3分の場所にオープンした。借地権(土地を継続して借りる権利を買うこと)と建物のリフォーム代をローンで支払い、他に地代、光熱費を月々支払っているという。建物の2Fに居住しているため、「自営業の人が、マイホームを購入して住宅ローン組んで、そこで開業した」ような状況と近いのかもしれない。

TBスタジオでは、主にシニア層を対象に「演劇スクール」を継続的に行っている。「3ヶ月間を1サイクルとして、発表公演まで同スタジオ内で行う」というものだ。得丸さん曰く「団塊の世代に演劇をやりたい人たちが沢山いて、『明治座アカデミー』や『文学座プラチナクラス』などレッスンの機会はあるのだが、公演本番に出演できる機会は非常に限られている」という。主宰である自分が“一人で全てをやってみる”をモットーに、レッスンの講師から稽古場運営、制作全般のみならず、演出、仕込み、本番の照明・音響のオペまで、すべてを一人で行うというから驚きである。
 

「いまの場所で専用稽古場3か所目」(竹田さん)

一方、「スタジオを占有賃貸している」という面で「toiroan 十色庵」と似た状況にあるのが、劇団「電動夏子安置システム」だ。主宰の竹田哲士さんは、「何より稽古場を転々とするストレスを外したかった」という。現在、京王線代田橋駅より徒歩3分の場所に専用稽古場を借りており、この10年で3か所目だという。「今日、この会場(十色庵)の外に置かれていた看板に『私たちは演劇をやっています』と書かれているのを見て、素晴らしいと思いました。自分たちはこれまで、大家さんとの闘争に明け暮れたり、周りからは何をやってるんだろうと疑いの目で見られることが多く、こんな風にオープンには活動してこられなかった」と語った。 


 

 

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