制作ニュース
- 増額分野は? 文化庁が来年度予算の概算要求を発表
-
15.09/04
「文化プログラム」および「文化財の活用」関連を増額要求 『平成28年度文化庁概算要求の概要』発表
文化庁は、来年度予算の要望をまとめた「文化庁概算要求の概要」を発表した。要求総額は約1,191億円(各省庁合計は約102兆4000億円程度と報じられている)。2020年東京オリンピックに向けた「文化プログラム」関連および、地域の活性化や観光推進などを図る「文化財の活用」関連の事業に対して、新設および増額の要求がなされた。
【文化プログラム】関係では、実行チームに民間のゼネラルプロデューサーと、機能別のプロデューサー、文化芸術分野別のディレクター等を置くという「推進体制の整備」に新規予算として3億円を算出。またその実行チームを中心に、日本の顔となる文化芸術活動を行う「リーディングプロジェクト事業」に約10億円を要求した(実施件数:10件程度)。
また、「舞台芸術創造活動活性化事業」(要望額約41億円)において、文化プログラムの推進や、障害者・海外からの観光客への対応等に必要な「専門人材の配置」を新たに明記。ガバナンスの優れた芸術団体を対象に、人材配置を支援する計画だ(支援人数40名)。
【文化財の活用】に関しては、昨年度より「従来の保存を優先とする支援から、地域の文化財を一体的に活用する取組への支援に転換」することが表明されており、その分野に増額申請がなされた。個別の遺産を“点”ではなくパッケージ化し一体的な“面”として活用・発信するためには、地域に根差した“ストーリー”が必要だとする、新たな考え方も提示されている。(参考資料P20「日本遺産魅力発信推進事業」内に記載)。
その具体例は、「文化遺産を活かした地域活性化事業」(要望額約30億円)の今年度事業の一つ、神奈川県伊勢原市での伝統芸能フェスティバル『大山まうで 舞をどり』(11/7開催)に垣間見ることができそうだ。杉原邦生氏(演出家、舞台美術家/KUNIO主宰)が総合演出・舞台美術を担当し、地域の古典芸能や民族芸能に現代的なアレンジを加えた“歴史絵巻ショー”を行うという同催事は、文化庁の新しい考え方を体現するシンボリックな事例となり得るか。
なお、来年度予算は各省からの概算要求を元に、12月下旬に政府案が閣議決定され、翌年1月より始まる通常国会での審議を経て決定となる。
【こちらもチェック!】
◇ カナガワ リ・古典プロジェクト| 2015 in 大山「大山まうで 舞をどり」公式サイト
【合わせて読みたい!】
◇ 「五輪史上最大規模」文化プログラム基本構想発表
◇ 「文化芸術の振興に関する基本的な方針(第4次)」閣議決定
ピックアップ記事
ネビュラエンタープライズのメールマガジン
登録はこちらから!