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【美術館、ホールなど】文化施設の指定管理者の公募見直しへ-横浜

12.12/20

横浜市は、12月6日に行われた市会(平成24年度第4回定例会)において、「横浜美術館」の指定管理者の契約更新の議案を提出した。前回の公募から非公募による選出に変わり、公益財団法人横浜市芸術文化振興財団と民間企業2社との共同管理だった契約を同財団の単独管理に変更。さらに、契約期間も5年から10年に延長される内容。

指定管理者制度は、「官から民へ」をスローガンに小泉純一郎元首相の肝いりで2003年に導入された制度。地方公共団体やその外郭団体に限定していた公の施設の管理・運営を、営利企業・財団法人・NPO法人・市民グループなど法人その他の団体に包括的に代行させることができるというもの。利用時間の延長など、施設運営面でのサービス向上による利用者の利便性の向上や、管理運営経費の削減による、施設を所有する地方公共団体の負担軽減が期待された。

横浜市では、指定管理者制度導入にあたり、当時の市長・中田宏氏が、市民サービス向上とコスト削減のため、市の公共施設の管理者を原則公募とする方針を打ち出していた。横浜美術館には、2006年(平成18年)4月から指定管理者制度が導入されたが、民間事業者も公平な競争条件のもと参入できるようにするため、平成18年度・19年度は公益財団法人横浜市芸術文化振興財団が暫定的に指定管理者に指定された。公募による指定管理者の選定が始まったのは平成20年度からであり、平成20年(2008年)4月から24年(2013年)3月までの5年間は、横浜市芸術文化振興財団・相鉄エージェンシー・三菱地所ビルマネジメント共同事業体が指定されている。

制度の導入を文化施設にまで対象を広げたことは全国から注目を集めたが、横浜市は今回の契約更新を機に、文化施設の契約を見直すこととなった。横浜美術館への公募制導入の影響について、市文化振興課施設担当の佐藤康博課長は、蓄積してきた知識や人脈の断絶、学芸員の質の低下を懸念し、「5年間の実績を検証した結果、公募はなじまないとの結論に至った」と話している。また、企画展に展示する作品を借りる相手先から、途中で管理者が代わる可能性への不安を伝えられることや、契約期間が短く、継続して運営できる担保もないため、職員の採用を抑えざるをえない状況もあったという。

横浜市では、横浜美術館と同様に「横浜みなとみらいホール」も非公募で選定し、共同管理から既存の外郭団体単独に移行した。市歴史博物館横浜能楽堂など7施設も、本年度までに一斉に公募から非公募に切り替えられた。全国の政令市で美術館を所有する18市のうち、11市が直営。残り7市は指定管理者制度を導入しているが、公募しているのは横浜と熊本の2市だけだという。

◎関連サイト◎
市第 112 号議案 横浜美術館の指定管理者の指定|横浜市会
今度は民から官へ 指定管理者 見直し 美術館など公募 横浜市「そぐわぬ」|東京新聞


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