映画・演劇・音楽が一つになり「文化芸術復興基金」創設へ向けて　#WeNeedCultureを始動　本日、文化庁に要望書を提出

コロナ禍のなか、これまで独自に支援活動の声を上げていた3団体、映画「SAVE the CINEMA」、演劇「演劇緊急支援プロジェクト」、音楽「SaveOurSpace」が一体となり、「#WeNeedCulture」プロジェクトを始動した。本プロジェクトは、活動自粛に追い込まれた芸術文化への支援を求める「文化芸術復興基金」の設立に向けた要望書を、本日5月22日、政府に提出する。

関連サイト⇒We Need Culture－文化芸術復興基金をつくろう－

同団体は、昨日21日にプロジェクト始動のシンポジウムを、インターネット動画サイトYouTubeにて生配信した。放送には、映画・演劇・音楽界で活躍する著名人が揃った。演劇界からは瀬戸山美咲（劇作家・演出家）、福島明夫（日本劇団協議会）、ラサール石井（俳優・演出家）、シライケイタ（劇作家・演出家）、さらに政界から伊藤信太郎（自由民主党）、枝野幸男（立憲民主党）、志位和夫（日本共産党）が登壇し、日本における文化芸術の現状と、今後のありかたについて熱く議論が交わされた。

登壇者たちは議論の中で「日本は平時においても、文化に対する予算・支援が海外に比べて圧倒的に弱く、国民の意識の中でも芸術文化や娯楽は支援の優先度が低く見られる風潮がある。しかし、災害時や今回の自粛期間中においても心の豊かさを支えてきたものはエンターテインメントの存在であり、誰もが文化芸術に助けられている。その文化の土壌を作っているのが小劇場やライブハウスなどの小規模な場所での活動であり、その土壌がなくなれば文化が育たなくなる。今回の基金創設をきっかけに、国が文化芸術を守り国民の意識を変えるきっかけになれば」という共通の想いを固めた。

また、政界から登壇の3名からも、文化芸術に対する以下のような言葉が投げかけられた（要訳）。

枝野「憲法25条に“すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する”とある。健康と同じように文化を支えるのは国の責任、文化の位置づけを変えるチャンスにしなければ。この基金を実現させ、日本の文化政策の意識を変えたい」

志位「文化は贅沢品ではない、という意識に変えなければいけない。例えば音楽は勇気付けたり鼓舞したりする一方で、辛いときの逃げ場・シェルターにもなる。それはあらゆる芸術文化に共通している、人間が生きていく上で必要不可欠なもの」

伊藤「産業という観点から、文化芸術を守るという枠組みでの緊急支援を。（公演再開した時に）席が空いて、赤字になっても公演が続けられるような支援が必要。一度絶えたら復活するのに時間がかかる」

彼らは、国民の生活の中での文化芸術の必要性に深く理解を示すとともに、党の枠組みを越えて、基金設立のための協力への志を強く示した。要望書提出後の動向にも注目が集まる。

本日22日には、13:00に省庁に要望書提出後、15:30より記者会見、19:00より『#WeNeedCulture at DOMMUNE～文化芸術復興基金をつくろう～』をライブ配信予定。