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『対ゲキだヨ!全員集合』のつくり方

16.03/28

関係者によるふりかえり/反省と展望

 

演出家対談
3演出家対談の模様。左から、澤野正樹さん(短距離男道ミサイル)、山本正典さん(コトリ会議)、ニノキノコスターさん(オレンヂスタ)

 
大阪公演の最終日に行われた3演出家による対談でも、『対ゲキ』的な競作企画の今後の広がりに期待したいというコメントがありました。また『対ゲキ』の公演企画書では「地方都市を拠点とする若手劇団同志の交流をより濃密にし」、「劇団同志の互助的な関係による、新しい舞台創作環境の発展」に寄与したいという企画主旨が記載されていました。ツアー終了を目前にした今、その想いについて改めて聞いてみました。

若旦那さん人物紹介画像2

ここ数年の僕が演劇で実現したい事として、「世代」を繋ぐとともに「地域」を繋ぐ、という思いがあります。もしそれが『対ゲキ』の企画で叶うのであれば、アドバイスでもなんでもさせてもらいますので、「各地域でやってみたい」と思う劇団や制作者は、僕らをうまく利用して欲しいです。新しい勢力が、日本各地からもっともっと出てきたら面白いと思うので、そのためならなんでもやりたい。本当になんでも聞いてください!それと、今回の3組をそのまま呼んでくれる地方の劇場があったら、もっと嬉しいですけど・・・(笑)。

-あらためて、『対ゲキ』企画を成立させるポイントは何ですか?

若旦那さん人物紹介画像2

関係者(スタッフからそれぞれの客演にいたるまで)全員が、イベントの理念を共有することですね。自身以外の2劇団の作品も自分の作品であるという想いでいないと、全体として良くはならないし、売り込むこともできないと感じました。そのためには枠組みだけではなく、全体を統括する総合演出と、総合プロデューサーが必要なのかもしれない。今回は舞台監督と3劇団以外の外部制作者の目によって、多少の公平性がかろうじて保たれていたように思います。


最後に、全体制作を担当した三坂恵美さん、新潟公演を誘致した「えんとつシアター」支配人の逸見友哉さんからも、同企画をふりかえってコメントをいただきましたので、ご紹介します。

◆三坂恵美さん(全体制作を担当)
 
〇仙台公演の初日、受付スタッフが家族の格好をしてかなり目立つので、客席で見るときどうなんだろう?と思っていましたが、(場内整理では)「ここ座っていい?」など周りのお客さんに家族のキャラクターとして聞けるので、(お客さんが)すごく自然に客席に座ったのを見て、驚いたけど妙に納得してしまいました。

〇3劇団とも『ミソゲキ』で短編の連続上演の経験があるのに舞台装置がどれも大きくてややこしく「ちょっとは考えてよ!」と思いましたが、本気度の表れなのかもしれません。

〇3演目+転換なので、どうしても上演時間が長くなります。事前に「これだけ長い!でも、これだけだよ!」というので早めに上演時間をサイトに掲載していましたが、作品がのびたり転換がのびたりでちょっと超えることが多かったです。このあたりの調整はなかなかしづらいな、と思いました。

 

◆逸見友哉さん(新潟古町えんとつシアター支配人)
 
えんとつシアターは2015年4月にオープンしたばかりで、スタッフの経験もまだまだ未熟な状態での受入だったのですが、3劇団という大人数での受入を、宿泊面やケータリングなど、『対ゲキ』の制作チームさんたちにフォローしていただいた結果、今後の良いモデルケースとなり、また、非常に勉強になりました。新潟は、今回きた3劇団にとってアウェーの土地であり、初物を苦手とする新潟の県民性も手伝い、集客には苦労しましたが、地道な宣伝が功を奏し、地方からも演劇の魅力を十分に発信できることを証明し、今後の可能性に繋がる公演だったと思います。

 

 
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