制作ニュース

舞台制作者意識調査「ワーク」編

10.09/16

こんにちは!舞台制作ラボのさいきです。 気づけばもうすっかり晩秋。
外は肌寒い日が続きますが、普段はチラシをガツンガツン折り込んでおりますので、
ごく個人的にはホットな日が続いております。私は一体、何を着ればよいのでしょう……。

さて、お待たせいたしました。今回は、
自由記述紹介(制作者になった経緯・社会経験・今抱いている野望など)をお送りします。

思わず「そうそう」と頷きたくなるものから、
「なんと、そんなことが!」とビックリしてしまうようなことまで、
じつに、さまざまなお声を頂戴しました!

それでは、調査報告をどうぞ!


制作者になった経緯を教えてください

大きく、4つの組に分かれました。
1. 劇団に所属して、気づいたら制作をやっていた組
2. 役者などから制作者へ転向組
3. はじめから制作者を目指して就職組
4. お手伝いきっかけで、制作をすることになった組

1. 劇団に所属して、気づいたら制作をやっていた
  ……もとい、「必要に迫られて」組

人数の少ない社会人劇団なもので、気がついたら役者しながら制作やってました…(32歳・女性・埼玉)

自分プロデュースの公演が多いので必然的に制作になります。それが楽しくてやってるところもありますが、やはりもっと時間があればいろいろやりようがあるのに…と思うことは多いです。(37歳・男性・東京)

必要に迫れられて。所属した劇団が少人数であり、制作担当者がいなかった為。(29歳・女性・東京)

劇団所属の方や、団体の主宰者さんに多いパターンです。
「制作専任の人がいない!大変だ、仕方がない……」ということなのかと思いきや、
「それが楽しくてやっている」というお声もありました!
上演内容から運営方法まで、公演全体にこだわりを持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

2. 役者などから制作者へ転向組

役者業に力を注いでいたが、できる仕事はそれだけじゃない事に気がついた25の冬。(28歳・男性・東京)

小さな劇団に入り、社会人として普通に事務仕事をこなしていたら、制作に向いているのではないかと思えてきた。(36歳・女性・東京)

私が一出演者だった時、劇団の座長が、細かな制作も全て自分で行っており、「そんな誰にでも出来るような事は他人にやらせて、座長には座長にしか出来ない事をやって欲しいと」と思い、お手伝いから始まりました。 その後、座長と結婚し、本格的に制作に専念することとなりました。(43歳・女性・東京)

違う道を志していたものの、その過程で制作者に転向した方々です。
社会人としてのお仕事を通して、制作への道を見出した方、
結婚を機に制作者に転向した方など、実に波乱万丈なご回答を頂きました。
いわば、これが人生のターニングポイントなのですね。

 

3. はじめから制作者を目指して就職組

大学を卒業後、芸能プロダクションに就職。入社時の希望通り、舞台制作の部署に配属に。(24歳・女性・神奈川)

学生の頃、自分で公演の企画をしていたところ劇場の人に声をかけてもらい劇場に就職したのがきっかけです。数年キャリアを積んだ後、フリーになりました。(32歳・女性・東京)

大学在学時から演劇業界を中心とした就職活動を行い現在の劇団に内定し、就職。希望の製作営業部に配属され制作となる。(23歳・女性・東京)

制作者を目指し、学生時代からその道に向けて邁進してきた方々です。
キーワードは「就職」ですね。
難関のイメージがありますが、比較的大きな公演に携わることが出来そうです。
大手の舞台制作会社や芸能プロダクションにエントリーした経験のある方も、
いらっしゃるのではないでしょうか?

 

4. お手伝いきっかけで、制作をすることになった組

お手伝いの流れで、助手という形で任されるようになりました。全てを理解などはしていません。(24歳・女性・東京)

友人が地元の劇団に入っていて、稽古見学をしたり公演に行っていたら、受付等に人手が足りないので手伝ってほしいと言われ、そのまま入団した。(39歳・女性・大分)

一般の仕事しながら劇団のボランティアスタッフをしており、その劇団の座長に誘われ、転職してマネージャー兼制作となりました。(40歳・女性・大分)

大学生の夏休みにたまたま公演の手伝いをしたのがきっかけ。若い頃は、いつでも就職できるから、まず好きなことをやろうと思っていたのですが、紆余曲折ありつつも結局この世界にいます。(29歳・女性・東京)

お手伝いから制作者になる方も多いようです。
個人的にも、最もよく聞く舞台への入口だったりします。
あなたの周りにも、こんな方々がいらっしゃいませんか?

 

 

アルバイトや、正社員で働いていた経験が、制作業務に活きている!と思うことがあれば、教えてください

●仕事スキル編

PCスキルや、接客、人間関係。多分、全て応用が効くと思います。(28歳・女性・東京)

資料の作り方、会議の段取りなどはほぼ会社員で実際に行っているものに基づいている。また電話口やメールにおける言葉づかいなどは会社の研修で覚えたものが生かされていると思っている。(27歳・男性・東京)

現場レベルでは、金勘定と人をハンドリングするスキルは使えます。でも、根本の仕事は営業なので、マーケティングを知らないと厳しいかもと思う28の秋。(28歳・男性・東京)

社会の常識非常識を知った。(50歳・男性・東京)

PC操作、Word、Exeleといったご回答は、他にもたくさん頂きました。
次点で、接客や電話対応などの接遇に関して、複数ご回答がありました。
基本的な仕事スキルは、舞台制作の現場でも必須事項なんですね。
50歳・男性の「社会の常識非常識」という言葉が、なんだか重いです……!

 

●ココロ構え編

社会には様々な立場や考え方の人がいるということを想像する時。(31歳・男性・東京)

常にお客様の事を考えながら仕事する意識。 昔3年ほどキッチンをして居た事があるのですが。料理を作る時、『この卓はランチとハンバーグか。じゃ、ホールが料理を同じタイミングで出すには、どの作業からやるか・・』 物事を同時並行で考える必要があるのと、かつ優先順位のある作業をどの順でこなすかを即座に選択する必要が求められる職場だったので、非常に鍛えられました。(27歳・男性・東京)

数字、対価、時間、〆切の概念が身についてます。芝居人に欠落してる部分だと思ってます。(37歳・男性・東京)

こちらはココロ構えです。仕事スキル編にも通ずるものがありますね。
こちらも、どんな職業でも活きるものばかりが挙がっております。
制作さんってゼネラリストなんだな~、と、つくづく思います。

●特殊編

音響や演出部のバイトをいっぱいやったことは、今、同じ現場で働いているスタッフさんの仕事の流れを把握するうえで役にたっている。(36歳・男性・京都)

大学時代にシネコンでバイトしていた経験が、ロビー周りでのお客様の誘導や、チケット販売などの時に活かされていると思います。(24歳・女性・神奈川)

学生時代にコンサートスタッフや劇場スタッフのアルバイトをしていたことが役に立っていると思います。(23歳・女性・東京)

こちらは舞台の業界ならではのご回答です。
受付や場内案内のお仕事は、アルバイトだけでなく、
ボランティア等で経験を積んだ方もいらっしゃるのではないでしょうか?
他セクションのアルバイト経験というのも、なるほど、役に立ちそうですね。
回答者の中には、逆にこんな方もいらっしゃいました。

劇団を立ち上げようとした際に、全てのスタッフの流れを一通り知ろうと思い、とある劇団さんの制作助手に入った(27歳・男性・東京)

劇団に所属している方は、比較的他の業務を兼任していることが多いようでした。
普段何気なくやっている劇団のお仕事の中にも、
無意識のうちに、制作業務に活きていることがあるかもしれませんよ?

 

 

今抱いている野望があれば、教えてください

様々なご回答をいただきましたが、どれも素敵な野望ばかり……!
選びきれないので、全部ご紹介しちゃいます。

ちょっと書けない(27歳・男性・東京)

役者&小屋付き&制作の立場で、小劇場界の全体の閉そく感を打破したい。日本人の観劇人口を増やしたい。(35歳・女性・東京)

アーティストとお客様にもっともっと、日本に世界に。(23歳・女性・東京/神奈川)

宇宙に行きたいです。(28歳・男性・東京)

企画からたてた公演をしてみたい。(39歳・女性・大分)

ゆくゆくは芸能人&制作者年金を作りたいです。今はまだ公演毎に労働環境の改善に取り組んでいる段階ですがいつか長期的に業界全体のサポートが実現できればいいなぁと思っています。少しでも長く多くの人が働けることが業界全体の活性化につながると思うので。 ただまずは職業として制作者で食べていけるように各人が質の高い仕事を心がけることが大事かなと思います。(32歳・女性・東京)

生き延びる方法。(26歳・男性・東京)

所属劇団に一般客を呼びこめれば…(36歳・女性・東京)

1つの公演で全国を回る。(27歳・男性・東京)

劇団を大きくすること。 もっと多くの人が「舞台」を楽しむような世の中にすること。(43歳・男性・東京)

この秋に第一回公演を打って、3年後に集客人数を500人に届かせること(男性・北海道)

今は卒業後、就職して趣味として制作業務を続けていくつもりだが、将来は、プロの制作として活動できるように経験と知識とセンスを磨いていきたい。(21歳・女性・北海道)

野望…じゃないけど…。出演者にバイトするよりいいギャラを出したいとつねに思ってます。(37歳・男性・東京)

制作者を含め優秀なテクニカルが集まったクリエイター集団を作りたい。(29歳・女性・東京)

劇場を建ててインテンダントになる(50歳・男性・東京)

生きていることに希望を持てる様な舞台を日本中に届けたい。(31歳・女性・東京)

ママ演劇をやること!作り手が全てママ&パパ。もしくはそのプロジェクトに賛同してくれること。演劇界の産休・育休プロジェクト。 (28歳・女性・東京)

知らない人に話しかけられたいです。(23歳・女性・東京)

制作者の為の制作会社の創設。 制作者の為の知識、知恵、経験の財産の保管と共有。その為のデータベース作り。 (27歳・男性・東京)

ここで言えるわけがありません。秘密です。(23歳・女性・東京)

個人の目標から、所属・主宰団体の展望、業界への思いや、社会への働きかけまで、
実にさまざまな、熱い!ご回答を頂きました。

図らずとも、「言えない」にはじまり、「秘密です」という締めくくりとなりました。
きっと、ご回答いただいた方以外にも、あっと驚くようなアイディアを内に秘めて、世に出す機会を虎視眈々と狙っている制作者さんが、沢山いらっしゃるのでしょうね。

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