劇作家・演出家の平田オリザ氏と劇団「青年団」を密着取材した長編ドキュメンタリー映画『演劇1』『演劇2』（監督：想田和弘『選挙』『精神』『Peace』／配給：東風）の劇場用予告編映像が26日に動画共有サイトYouTubeにて公開された。本編は10月、東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムにて公開予定。

同作は、ナレーション・BGM・字幕等を廃した“観察映画”という手法で知られる想田監督による新作で、2部作合計5時間42分という長編ドキュメンタリー作品。平田氏の作品に強い衝撃を受けた想田監督が、自ら2008年7月から2009年9月までの期間に平田氏と青年団に密着し撮影した約307時間の映像素材をさらに2年以上の時間を費やして編集した。

『演劇1』では、戯曲の執筆から稽古、照明、舞台美術、ワークショップ、劇団運営の実際など、青年団のあらゆる活動をはじめ、平田演劇の哲学や方法論、組織論を描き出す、いわば「平田オリザの世界」といった内容。それに対し『演劇2』は、助成金に頼ることのない劇団経営方法の摸索、演劇教育プログラムの開発など、演劇と社会、芸術と社会との関係を問いなおす、「平田オリザと世界」を描いた作品となっている。

いずれも、平田氏と俳優、スタッフたちによる緻密な創作過程はもちろん、政治家、教育関係者、子供たちとの交流風景、青年団新人採用面接や海外プロデューサーとの交渉風景などを丹念かつ赤裸々に映し出しており、平田氏の信奉者ならずとも、特に演劇を生業としている者にとっては実にスリリングでエキサイティングな作品であることは間違いない。必見。

◎関連サイト◎
『演劇1』『演劇2』劇場予告編 ｜YouTube

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