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- 【映画の多様性を守ろう】深田晃司監督らが独立映画ネットワーク「独立映画鍋」設立
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12.07/26
『歓待』の深田晃司監督、『新しい神様』の土屋豊監督らインディペンデント映画作家たちが映画の多様性を守るための独立映画ネットワーク組織「独立映画鍋」を設立、今月23日に映画美学校(東京・渋谷区)にてキックオフ・イベントを開催した。
キックオフ・イベントでは、同組織の代表理事を務める深田氏、土屋氏、理事を務める『サウダーヂ』の伊達浩太朗プロデューサーが登壇し、「日本映画の現場では、興行収入の大半を限られた大手メジャーが占め、インディペンデント映画では低予算化が進んでいる」とし、「インディペンデント映画に携わる人々が、自分の生活や人生を「犠牲」にして一本の映画を作り上げなければならない状況を「文化の貧困」と捉え、公共的なサポートが必要だ」と訴えた。そして、「インディペンデント・フィルムメーカーと上映活動に携わる多くの人々、それらを取り巻く環境をサポートするシステムを作り、メジャーとインディペンデントの対立的な二元論に陥らず、人、情報、資金を結びつける公共的・持続的なプラットフォームを構築する」ことを目的に「独立映画鍋」が設立されたと解説した。
具体的な活動内容は、
・独立映画関連プロジェクトに対する寄付を募るクラウドファンディング(応援投資)サイト「モーションギャラリー」の運営・管理
・シンポジウム、イベントの企画・開催
・各種助成金や上映スペース・上映団体情報、海外セールス・映画祭情報などの提供
・映画業界実態調査・政策提言
などをあげている。
現在「モーションギャラリー」でサポートを呼び掛けている企画のひとつには、青年団主宰の平田オリザ氏と石黒浩研究室によるアンドロイド演劇『さようなら』の映画化プロジェクトがある。舞台版は約20分の短編作品だったが、映画版では約90分に拡大、物語世界を大幅に膨らまし、映画にしかできない時間表現・空間表現を駆使して、「さようなら」の描く死と生の世界を再構築するというものだ。深田氏が脚本・監督を務める。目標金額は800,000円。
なお、「独立映画鍋」では会員も募集中。「映画を作る人、上映する人、見る人」など、誰でもメンバーになれる。入会金は0円だが、年会費として個人の場合は8,000円、団体の場合は50,000円が必要となる。メンバー特典として、「独立映画鍋」公式サイトと「Motion Gallery」内の「独立映画鍋ページ」へのプロジェクト掲載、シンポジウム、イベントに無料、あるいは割引価格で参加可能など、メンバー同士で支え合いながら、活動の基盤を維持していく。
◎関連サイト◎
独立映画鍋
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