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【日本より深刻?】文化予算削減で苦しむ欧州諸国のアートシーン

12.04/25

15日、産経新聞大阪文化部SANKEIEXPRESS担当の岡田敏一氏によるコラム『岡田敏一のエンタメよもやま話』にて、欧州諸国の文化政策に関する話題が取り上げられた。大阪市の財政健全化に伴う文化行政の見直しと比較し、『橋下維新よりヒドい!財政危機、文化が次々と死ぬ欧州』と題して欧州諸国の文化予算削減の状況をニューヨークタイムズ紙を引用して綴っている。

この記事によると、イタリアでは、世界的に有名なオペラハウス・スカラ座(イタリア・ミラノ)が政府の補助金カットのせいで900万ドル(7億3000万円)の資金難に直面。オランダでは、芸術活動に対する今年の補助金を昨年より25%(約2億6500万ドル=約217億円)も削減した上に、映画・スポーツイベント・動物園・サーカスを除く文化イベントの入場税を6%から一気に25%にまで増税したという。さらにポルトガルでは、文化行政をつかさどる文化庁そのものが廃止されるなど、経済危機により欧州諸国の文化政策は非常に深刻な状況にあるようだ。

別の報道によると、こういった状況を受けて作品制作の現場では様々な変化が起きているようだ。例えば、より少ない人数の演者で行うリーズナブルで小規模な作品がトレンドとなっており、多くの作家が3人程度で上演する戯曲を、多くの作曲家が交響曲よりも室内楽を書く傾向にあるという(文化をも衰退させる欧州経済危機|50+)。

また、こうした努力がある一方で、17日にはイタリア・カゾーリア現代美術館が所蔵作品を焼却するという大胆な抗議活動を始めて話題となっている。同美術館の館長は、「政府の無関心のせいで、当館の1000点に上る所蔵作品はいずれ損なわれてしまう」と語り、「アート戦争」と銘打ったこの抗議活動で、1週間に3作品のペースで焼却していく予定だという(イタリアの美術館が所蔵作品を焼却、政府の予算削減に抗議|AFPBB News)。

先述の岡田氏は、旧ソ連から優れた音楽家が生まれたことを例に挙げ、「食うや食わずの厳しい環境をはねのけ、頭角を現すものこそ、いつの時代も本物な訳ですから、欧州や大阪からは今後、真に優れた演奏家や、世界を変える革新的な文化が登場する可能性が高そうです」と本コラムを締めているが、果たしてそれほど楽観できる状況なのだろうか?

◎関連サイト◎
橋下維新よりヒドい!財政危機、文化が次々と死ぬ欧州|msn 産経ニュースwest
視点・論点「ユーロ危機で揺れる欧州―文化芸術の現場から」|NHK解説委員室

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