歌舞伎俳優で人間国宝の中村雀右衛門（なかむら・じゃくえもん、本名：青木清治＝あおき・きよはる）さんが23日、肺炎のため都内の病院で逝去。享年91歳。

中村雀右衛門さんは、1920年東京都出身。父は六代目大谷友右衛門。7歳で大谷広太郎の名で初舞台を踏むと、子役としては異例の後援会ができるほどの人気を博す。戦中は兵役で南方へ渡り、帰還後は立役（成年の男子役）から女形に転向、48年に七代目友右衛門を襲名。

50年に「佐々木小次郎」（監督：稲垣浩）に主演し、映画デビューを飾ると一躍“映画スター”に。『噂の女』（監督：溝口健二）など、5年間で約30本に出演するも、55年には映画界を引退し歌舞伎界に復帰。活動拠点も関西へと移す。上方歌舞伎の大名跡・中村雀右衛門家に位牌養子として入り、64年の歌舞伎座『祇園祭礼信仰記・金閣寺』の雪姫ほかで四代目中村雀右衛門を襲名した。その後は女形の代表格として高い評価を得た。

84年に紫綬褒章を受章。91年に人間国宝に認定され、04年には文化勲章を受章した。屋号は京屋。

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