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【コンセプトは「物語を旅する」】『フェスティバル/トーキョー（F/T）13』全プログラム詳細発表

13.08/31

日本最大の舞台芸術のフェスティバル「フェスティバル/トーキョー（F/T）13」の全プログラムの詳細が28日、発表された。これまでの「主催プログラム」「公募プログラム」「連携プログラム」に加えて、「オープン・プログラム」を新設。東京という都市空間の魅力を引き出し、今まで以上に「祝祭感」を盛り上げるフェスティバルを目指す。

2009年2月に誕生し、今回で6回目となるF/T13は、11月9日(土)から12月8日(日)までの30日間、池袋エリアを中心に開催される。コンセプトは「物語を旅する」。演劇の基本要素であるドラマやフィクションを再び問い直し、同時代の物語の新しいあり方を探求する。

今回新設された「オープン・プログラム」は、「フェスティバルならではの祝祭と出会いを生み出す」をテーマに掲げ、多彩なプログラムを企画。
11月9日(土)の開幕には、「F/T13オープニング・イベント」として、いとうせいこうと宮沢章夫によるリーディングライブを開催。
また東京芸術劇場のアトリウム内には、現代美術家・椿昇による巨大オブジェが出現、そのお披露目イベント、トークが行われる。
さらに、昨年の公募プログラムでグランプリを獲得し今年は主催公演として登場する「シアタースタジオ・インドネシア」の公演（11月9日(土)～13日(水) 会場：池袋西口公園）に合わせ、アジア料理の屋台村も登場するという。
また、昨年のF/T12よりスタートした一般参加型の群衆パフォーマンス「F/Tモブ」は、「F/Tモブ・スペシャル」としてさらにパワーアップし今年も実施。近藤良平（コンドルズ）、古家優里（プロジェクト大山）、三浦康嗣（□□□）、矢内原美邦（ニブロール）の4名の振付家・音楽家がパフォーマンスを仕掛け、東京を盛り上げる。

F/Tならではの新しい価値を創造・発信する「主催プログラム」では、古今東西の古典戯曲や神話などを現在の視点で捉え直す作品や、社会状況の変化に対応した新たな語りの形式を探求する作品が多数製作・上演される。
「中野成樹＋フランケンズ」でコンビを組む、演出家・中野成樹とドラマトゥルク・長島確は、「四谷怪談」の原典を紐解きながら街歩きをする『四谷雑談集』＋『四家の怪談』を上演。
高山明（Port B）の『東京へテロトピア』では、アジアからの留学生たちの痕跡を、ガイドブックとラジオを手に訪ね歩く。
また「イェリネク連続上演」として、『光のない。（プロローグ？）』を小沢剛、宮沢章夫それぞれの演出で上演する。
その他、『東海道四谷怪談』（木ノ下歌舞伎）、『石のような水』（作：松田正隆、演出・美術：松本雄吉）、『現在地』（チェルフィッチュ）、『永い遠足』（サンプル）、『ガネーシャ VS. 第三帝国』（バック・トゥ・バック・シアター／オーストラリア）など、国内外の多彩なプログラムが用意されている。

アジアの若いアーティストをサポートし、紹介する『公募プログラム』は、今年はアジア全域・計137件の応募の中から選ばれた国内4組、海外5組、計9組が登場。劇団子供鉅人、Q、薪伝実験劇団（中国）など、注目の劇団が競演する。
昨年に引き続き、新しい価値を創造する作品を顕彰する「F/Tアワード」も開催。審査員を務めるのは、飴屋法水（演出家・美術家）、鴻英良（演劇批評家）、シュテファニー・カープ（ドラマトゥルク）、森山直人（演劇批評家）、リー・イーナン（ドラマトゥルク）の5名。アワードは12月8日に決定する。

F/Tプログラム・ディレクターの相馬千秋氏は、「今回のF/Tでは、『物語を旅する』というテーマのもと、時代と空間を超えて様々な物語と出会い直していきたい」とコメント。
そしてF/Tの現在のミッションを「新しい価値を創造・発信するフェスティバル」「多様な人々の出会いと対話の場としてのフェスティバル」「アジアにおけるプラットフォームとしてのフェスティバル」の3つに分類、「基本的にクリエーション型のフェスティバルであり、アーティストとの持続的な信頼関係に基づく作品の創作・発表を基礎としている」とし、「このようなF/Tの根本理念について、またそこから派生する実践について、よりオープンに議論するシンポジウムを開催する。そこでは改めて、フェスティバルが立脚する公共文化政策の根本理念とそれが担保すべき表現の自由と責任について、歴史と世界を参照しながら捉え直すことになるだろう。こうした開かれた議論を経て、このフェスティバルが未来へと継続されるあらたな物語／歴史を、そこに集うすべての人々と共に紡ぎ始めることができたらと願っている」と、F/Tが次のステップへと向けて動き出すことへ意義と意欲を語っている。

F/T13のチケット一般前売開始は10月5日(土)10:00より。

なお、F/T13当日運営ボランティアスタッフ「F/Tクルー」も現在募集中。
詳細は、下記F/Tサイトを参照。