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野田秀樹 公演中止に意見書【全文掲載】

20.03/02

【全文掲載】野田秀樹、相次ぐ公演中止に意見書「いかなる困難な時期であっても、劇場は継続されなければなりません。」

26日、新型コロナウイルスの感染拡大防止策として政府がスポーツや文化イベントなどの自粛要請したことを受け、全国で舞台公演の中止が後を絶たない。そんな中、野田秀樹(劇作家・演出家・役者・東京芸術劇場芸術監督・多摩美術大学教授)が自身の活動する野田地図HPを通じて「一演劇人として劇場公演の継続を望む意見表明」を発表した。

意見書 公演中止で本当に良いのか(全文掲載)

コロナウィルス感染症対策による公演自粛の要請を受け、一演劇人として劇場公演の継続を望む意見表明をいたします。感染症の専門家と協議して考えられる対策を十全に施し、観客の理解を得ることを前提とした上で、予定される公演は実施されるべきと考えます。演劇は観客がいて初めて成り立つ芸術です。スポーツイベントのように無観客で成り立つわけではありません。ひとたび劇場を閉鎖した場合、再開が困難になるおそれがあり、それは「演劇の死」を意味しかねません。もちろん、感染症が撲滅されるべきであることには何の意義申し立てするつもりはありません。けれども劇場閉鎖の悪しき前例をつくってはなりません。現在、この困難な状況でも懸命に上演を目指している演劇人に対して、「身勝手な芸術家たち」という風評が出回ることを危惧します。公演収入で生計をたてる多くの舞台関係者にも思いをいたしてください。劇場公演の中止は、考えうる限りの手を尽くした上での、最後の最後の苦渋の決断であるべきです。「いかなる困難な時期であっても、劇場は継続されなければなりません。」使い古された言葉ではありますが、ゆえに、劇場の真髄をついた言葉かと思います。

野田秀樹


野田は、2011年3月11日に発生した東日本大震災の際にも公演中止が相次ぐ中、「劇場の灯を消してはいけない」と題しコメントを発表。当時上演中だったNODA・MAP『南へ』も震災から4日後の15日より再開している。


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