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【「ディレクター退任にあたり」】相馬千秋氏が、F/Tサイトにメッセージを寄稿

14.04/28

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2009年のフェスティバル/トーキョー(F/T)スタート以来、2013年までの5年間・6回に渡りプログラム・ディレクターを務めた相馬千秋氏が、「ディレクター退任にあたり」と題したメッセージをF/Tサイトに寄せている。

相馬氏はF/Tを「『いま・ここ』でしか成立し得ないユニークな芸術祭」と位置づけ、プログラム・ディレクターとしての5年間の在任中に「演劇とは何か、芸術とは何か、それをおこなう我々とは何者か、という問い」を「執拗に問い続けた」という。

2011年におこった東日本大震災、それに伴い発生した原発事故、また緊迫し続けるアジアの近隣諸国との関係性。それらを相馬氏は「これまでの思考の枠組や歴史認識では太刀打ちできない非常事態」と捉え、芸術は「そうした大きな出来事に対して、あくまで個人に立脚する小さな営み」とし、「しかしだからこそ、芸術は根源的に自由であり、この複雑な世界、時間、人間そのものの様相を、あり得るかも知れない多くの可能性とともに開きうるものだと、私は考えます」と芸術の可能性について語っている。

そして「私が考える芸術の公共性とは、そうした可能性の扉を、閉ざさずに開けておくことです」と述べ、「全体からすれば1%に過ぎないものの可能性を、どう残りの99%が許容し、可能性を閉ざさずに開き続けることができるか」ということが、芸術が「公共的なものとして存在しうる根拠」だとし、「その根拠となる思想を、そしてそれを体現する方法を、これからどのようにこの社会の中で実践し、共有していくことができるのか」という問いを投げかけている。

F/Tは、昨年12月に相馬氏のプログラム・ディレクターの退任を発表した。2014年度から新体制へ移行し、F/T13実行委員長の市村作知雄氏がディレクターに就任している。

◎関連サイト◎
ディレクター退任にあたり(相馬千秋)|フェスティバル/トーキョー


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