制作ニュース

植松侑子の「来なきゃ分からないことだらけ from ソウル」Vol.6

12.10/13

ついに10月がやってきました…。チケット代で散財するこの季節が…。
今回は何かひとつに焦点を当ててコラムを書くのが非常に難しいので、今月ソウルで行われている(番外編でほかの地域もちょこっと。)フェスティバル、見本市等のイベントをざざざーっとイベントガイド的にご紹介しようと思います。

日本でもあらゆるイベントが盛り沢山な10月ですが、韓国も負けずアツいですよ!

(順番は開幕日の早い順にしました。)

Mediacity Seoul 2012(メディアアート)

Mediacity Seoulは、ソウル市主催の国際的なメディアアートのビエンナーレで、2000年から始まり今年で7回目を迎えます。このビエンナーレの目的は、同時代のアートを中心とし、科学、人文科学、現代テクノロジーなどをベースに製作されたニューメディアアートの作品を紹介し、展示すること。今回日本から参加するアーティストは、池田亮司、exonemo、菅野創+山口崇洋、クワクボリョウタ、dNA、真鍋大度+石橋素、三上晴子。

テーマ:「Spell on You(君に呪文をかける)」

開催日程:2012年 9月11日~11月4日

入場料金:無料

会場:ソウル市立美術館

Hi Seoul Festival(複合)

ソウル市とソウル文化財団が共同主催するハイソウルフェスティバル。今回は「都市を揺るがす身体のパフォーマンス」を合言葉にソウル市中心部の公園やストリートで、ダンス、演劇、音楽、人形劇、サーカスなどが行われます。ほぼすべての公演が無料で行われるので、たまたまその場に居合わせた人も巻き込んで、老若男女、韓国人も外国人も、盛大に、派手に、祝祭感満載で行われるフェスティバル。今年のソウル・マージナル・シアター・フェスティバルで坂口恭平が行ったモバイルハウスのワークショップを経て、その時のワークショップ参加者たちが社会制度への疑問と思考を基に、家を建て、街を築き、革新的な経済システムを運営するという「ソウル市住居対策委員会」というパフォーマンスも。

テーマ:「都市を動かす仕草!!!」

開催日程:2012年10月1日~7日

入場料金:無料

会場:ソウル市内各所(基本的に屋外)

Seoul Performing Arts Festival (SPAF) (舞台芸術)

※ウェブサイトのトップページで音が出る仕様なのでご注意!

今回で12回目を迎えるソウル・パフォーミングアーツ・フェスティバルは演劇・舞踊・複合ジャンルなど、あらゆる公演芸術を対象とし、韓国公演芸術センター(HANPAC)の主催で開催されます。今年は12か国から27の作品が参加。日本単独の演目はないものの、演出・振付が冨士山アネットの長谷川寧、共同振付を韓国人振付家のイ・ジュヒョンが行う『The Absence of the City』や、向井山朋子 + ニコル・ボイトラー + ジャン・カルマンの『シロクロ』(この作品はダンストリエンナーレトーキョーで初演のようですね!)などが上演されます。また、このフェスティバル内で若手振付家の登竜門的コンペティション「ソウルダンスコレクション」の本選も行われます。

開催日程:2012年10月5日~27日

入場料金:演目により異なる

会場:アルコ芸術劇場、大学路(テハンノ)芸術劇場、同徳(ドンドク)女子大学公演芸術センター

SIDance 2012 (ダンス)

国際舞踊協会(CID-UNESCO)韓国本部が主催するダンスに特化したフェスティバルで、初開催は意外に古く1998年。15回目となる今回は国際共同作品、海外招聘作品、国内作品あわせ13か国から振付家・ダンサーが参加。韓国のフリーミュージックの代表格ミヨン&パク・ジェチョンの演奏で舞踏家・大野慶人が踊る作品や、横浜ダンスコレクションEX2012でMASDANZA賞を受賞した皆藤千香子振付の作品なども上演されます。

開催日程:2012年10月5日~20日

入場料金:演目により異なる

会場:芸術の殿堂

Performing Arts Market in Seoul (PAMS)(舞台芸術)

韓国国内の選ばれた舞台芸術作品のショーケース、団体と作品をアピールするブース展示、ネットワーキングプログラムなどを通じ、国内外の舞台芸術の専門家たちが、世界の舞台芸術の流れと情報を共有し、舞台芸術の創作と流通を図ることを目的とした見本市。公募の中から選ばれる海外進出優秀作品「PAMS Choice」に選出されると、海外公演が決まった場合1年で1回、往復の航空代金と貨物運送料の全額または一部がサポートされるため、毎年多くの応募があります。今年フェスティバル/トーキョーに参加するグリーンピグの『ステップメモリーズ―抑圧されたものの帰還』も今年のPAMS Choice!に選ばれています。また、日本からも毎年さまざまな地域の劇場・フェスティバルのディレクター、制作者の方々がこの見本市に参加されていますね。

開催日程:2012年10月8日~12日

参加料金:3万ウォン(1日)、10万ウォン(前日 ※早期割引あり)

会場:国立劇場、韓国芸術総合学校

≪番外編≫ ソウルではありませんが、せっかく韓国に来たなら地方のイベントもはしごするのはいかがですか?

光州ビエンナーレ前回のコラムをご参考に)
9月7日~11月11日

ビエンナーレの新人賞を下道基行が受賞。おめでとうございます!


大邱(テグ)フォトビエンナーレ9月20日~10月28日

住友文彦が5人のキュレーターのうちのひとりを務め、多くの日本人アーティストも参加。


釜山ビエンナーレ9月22日~11月24日

今年のテーマは「Garden of Learning」。多くの作家が参加する他のビエンナーレ展示よりも相対的に少ない41人の参加者を集中的に扱う。


安東(アンドン)国際仮面舞フェスティバル9月28日~10月7日

韓国の無形文化財に指定されているタルチュムの団体をはじめ、海外の仮面に関連する伝統芸能やダンスチームを招待、また韓国全域から創作仮面ダンスや劇団が勢ぞろい。



■植松 侑子(うえまつ・ゆうこ)■
1981年、愛媛県出身。お茶の水女子大学芸術・表現行動学科舞踊教育学コース卒業。在学中より複数のダンス公演に制作アシスタントとして参加。卒業後は制作、一般企業、海外放浪を経て、2008年6月よりフェスティバル/トーキョーに参加。F/T09春、F/T09秋、F/T10は制作スタッフとして、F/T11は制作統括として4回のフェスティバルに携わる。 2012年よりソウル在住。
個人ブログ:http://maticcco.blogspot.com/
twitter:@maticcco


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