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インタビューシリーズ:TALK 〜平野弥生さん〜

15.02/20

限られた世界のようでいて、実はさまざまな職種・活動が存在する舞台業界。そこに関わる多様な人々にスポットをあて、お話を伺うインタビューシリーズ『TALK』。語られる言葉(意思)を通じて、読者の方々にご自身の活動への新しい発見やヒントを感じていただきたい、そんな思いで取り組みます。


「日本人であることを追求したい」
カナダ在住パフォーマー 平野弥生(ひらの・やよい)さん
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2002年からカナダ・バンクーバーに在住し、パフォーマー・振付家・プロデューサーとして現地で創作活動を続ける平野弥生さん。カナダ・カウンシルから助成が認められ、昨年10月に研修来日した。研究のテーマは「西暦800年から1800年における、雅楽や猿楽などの日本舞踊の歴史」。滞在中は各地で稽古見学や、古典伝統芸能の痕跡を辿る旅を続けた。「超過密スケジュールで、頭がウニのようでした」と笑う。

平野さんは、85年より本格的にソロマイム公演活動を開始した。転機は82年からの海外公演と、89年にマイム界初の文化庁在外研修員としてドイツ、カナダで学んだ経験だ。ドイツでは「体も、考え方も、すべてが日本人の自分にはかなわないものがある」と痛感した。だからこそ「私の体に流れる日本人の血、その中にあるものを追求しなければ、納得してもらえるものは作れない」との思いが強くなった。それを契機に日本の能や古典舞踊などを元にした創作活動に力を入れるようになっていく。

日本での研修滞在中は単身全国を飛び回った。出雲・金沢・佐渡・山形などを訪れ、新潟の柏崎では500年以上伝わる民族舞踊「綾子舞」に触れた。その後、山形の春日神社の新嘗祭で「黒川能」を観たとき、黒川能の音楽の中に綾子舞にとても似通ったリズムがあることに気がついたという。「私のような(パフォーマンスの)目線で調査すると、学術的な観点とはまた違った新たな発見がありますね」と手応えを語る。

カナダへ帰国後は、バンクーバーで2月〜4月にかけてと9月にそれぞれ一般参加者を招き報告会を開く。出雲阿国を題材にした次回公演のプロジェクトも構想中だ。「外国人は歌舞伎は好きだけど、歌舞伎以前のことはあまり知られていない。私が学んできたことを皆さんに伝えられたらと思います」。(編集部:永滝陽子)

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1952年生まれ。YAYOI THEATRE MOVEMENT主宰。
「カナダは多国籍で、『カナダデイ』というダウンタウンで行われるパレードでは、国ごとに60組以上が参加します。昨年は私も200名のチームで『バンクーバー音頭』という盆踊りを作って盛り上がりました」


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