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【三好ゼミ連載ブログ】第1週―制作者とアーティストとの対話について―

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7月7日、今年度の三好ゼミが開講しました!この三好ゼミは、昨年開講した際に大好評を得た講座を、バージョンアップしたものです。今年度はさらに人数が増え、活況の中、第一回が開催されました。講師の三好佐智子さんは、「サンプル」の松井周さん、「ハイバイ」の岩井秀人さんの制作をしている、まさに現在第一線で活躍されている制作者です。

 

自己紹介/「コレイチ」「コレナニ」

講義ではまず受講生一人一人の自己紹介を兼ね、講義までに体験した一番面白かったことや、疑問に思ったことを他のメンバーに向けて1分でプレゼンする、「今週のコレイチ」「今週のコレナニ」という時間が始まります。

 

「コレイチ」では、コジ・ファン・トゥッテ、ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ、カスガイ、想田和弘『選挙』などの名前が、受講生から挙げられました。このプログラムは、話す側・聞く側双方にとって、相手との話をいかに面白楽しくすることができるかのトレーニングにもなっています。

 

講義:演劇界の状況分析/制作者とアーティストの対話

その後三好さんより、演劇界の状況の分析と、その中でどのような戦略を立てているか、講義が始まりました。

 

この日はゲストとして、サンプル主宰の松井周さんも参加されました。松井さんと三好さん、お二人の対話は、サンプルの作品創りと、その中での制作者の役割について、様々な角度から、話が展開します。

 

この日の講義で非常に重要なポイントだと感じたのは、制作者とアーティストのコミュニケーションについてです。好きで行っていたはずの制作の仕事が、アーティストとの傷つけあいの関係に変化してしまう恐ろしさの話がありました。もちろん、舞台芸術の世界だけの問題ではありませんが、ビジネスベースで活動が始まるとは限らない舞台芸術では、特に発生しやすい問題だと思います。

 

この日の対話の中では、解決を考えるためのヒントとなる言葉がたくさん出てきたように思えます。その中には、社会や公共という言葉もあります。自分自身のことから範囲を広げて、その活動に携わる・巻き込まれていく人のことを、想像すること。自分だけではなく、関わる他のすべての人にとっても大切なことだからこそ、自分でコントロールできるようになる必要があるのだと思いました。多岐にわたる内容を扱った、初回からとても内容の濃い講義です。

 

次回の2週目では、第2回講義「企画書について」をレポートします!(藤原)

2013年07月25日 講義・セミナーレポート