Next舞台制作塾
三好佐智子ゼミ第2回。第2週目の講義は、企画・立案・企画書の書き方について。
課題返却:劇場で上演したい公演を企画する
「目的とゴール」講座を通じ、この言葉が、繰り返し語られます。一つ一つの行動の、目的は何なのか。達成可能な、具体的なゴールは何なのか。このことを考え続けているといっても、過言ではないでしょう。
「企画書を作るとは、誰かを説得すること」と講師の三好さんは語っています。誰を相手にしていて、そのために読みやすい企画書とはどうあるべきか?自分なりの根拠を作って企画書を書くことで、何を見せることに重点をおき、何を省略できるかということを、受講生たちは学んでいきました。
この日は、事前に提出した「劇場で上演したい公演を企画する」という課題の採点結果が返却されます。採点は全体的に厳しい様子。しかし、一人一人の企画の中には、随所に面白い要素が見られるようです。いくつかの企画を例にとり、その企画の特長と課題点が説明されます。
比較的、課題点として挙げられやすいのは、数字などの「リアリティ」。実現可能な企画として、どのように作り上げるかということの重要性が、企画書内の一つ一つの項目を具体例にとっての説明が行われました。また、自然と内容に目がいくための要素や、前パブと後パブの役割についてなど、その企画書を取り上げる人にとって、どのようなことをクリアすると取り上げやすくなるか、そして取り上げられたことによる効果とは何かが、詳しく説明されます。
受講生の何名かは、講義終了後、再提出をして自分の企画をさらにブラッシュアップしたようです。
PR(パブリックリレーション)
この日はまた、PR(パブリック・リレーション)についての話があり、「アーティストと社会との関係性を向上させる」制作の仕事のことを考える参考として、『ドキュメント 戦争広告代理店~情報操作とボスニア紛争』(講談社文庫)という本が紹介されました。ボスニア戦争のときに、世論の形成に活躍した広告代理店の動きを紹介したルポルタージュです。「世論を味方に付ける」ということにどのような動きを代理店がとり、その結果何がもたらされたのかが、ここでは語られています。
コミュニケーション
もう一つ、この日にはコミュニケーションについての話もありました。コミュニケーションについてもまた、「目的とゴール」から考えることができます。
例えば、作家とのコミュニケーションは、作家が面白いものを書けるようにすること。そうすると、例えば作家が書けないときに、どういう言葉をかけてはいけないのか、といったことまでに考えが及ぶようになります。
プラスのコミュニケーションとマイナスのコミュニケーションという考え方や、コミュニケーションの要素について、様々な具体例が挙げられ、どのような印象の差があるかを考える機会となりました。
次回第3週からは、土曜・日曜を通して4コマの集中講義。大人計画社長の長坂まき子さんを招いてのトーク、予算管理について、quinadaの冨永直子さんによる票券管理の講義、広報についてなど、盛りだくさんの内容です。どうぞ、お楽しみに!(藤原)
2013年08月06日 講義・セミナーレポート