制作ニュース
- セゾン文化財団主催『舞台芸術活動と育児の両立について考える会』Vol.5
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24.09/13
(塚口麻里子さん)
発表された17の企画。共同プランナーの塚口麻里子さんは、「今日の皆さんの発表を聞き、giveの精神を忘れず、お互いに支え合うというマインドから企画が提案されたことが印象に残った。創作や上演の場に子どもがいる状況を『当たり前』と思えるマインドセットへと変えていくことは、舞台芸術が元々持つ『社会への新しい価値観の提供』や『公共的な活動』であることにつながっているのだなと思う。我々自身の働き方が変わることで、上演や創作方法も変わっていき、それが社会に発信される。そうした流れが子育てのために劇場から離れていった人たちが戻れるきっかけとなり、誰もが生きやすい社会になっていくのではないか。今回の企画発表で終わらせず、実践していきたい」と語った。
今回のセミナーにオブザーバーとして参加してきたセゾン文化財団常務理事の久野敦子さんは、「はるか昔に子育てを卒業」したという自身の経験を振り返りながら、「みなさんの話を聞き、実現させたいと思えることがたくさんあった。特に情報を共有することの重要性を感じた。WEBサイト立ち上げの企画もあったが、様々な情報が集まりアーカイブ化されていくことで、より豊かな情報ツールになる。それによってマインドセット、社会変革につながると思う」と語った。また「互助会」に関しては、「みなさん『人に頼らなければ』と言うけれど、実際にはあまり頼っていないように感じる。もっと『育児卒業者』にも頼ってほしい。コミュニティの中にはいろんな人がいる。自分たちだけでなんとかしようとせず、積極的に手を伸ばしていいのかなと思う」と、久野さんならではの視点で感想を述べた。
(岡本純子さん)
「企画書を作成するのは大変だったと思うが、最後の回に全員が参加し企画を発表してもらえたことは本当にありがたい」そう言いながら笑顔を見せた、同財団の岡本純子さん。「複数の人が関心を寄せるテーマもあった。小さいグループを作ってワークを行うなど、会が終了したあとも継続して発展させていってほしい。一人でできなくても複数なら可能になる。できるところから、ぜひ具体的な変化を作っていきましょう」と参加者に呼び掛け、5回にわたる今回のセミナーを締めくくった。