制作ニュース
- セゾン文化財団主催『舞台芸術活動と育児の両立について考える会』Vol.2
-
24.09/13
セゾン文化財団主催『舞台芸術活動と育児の両立について考える会』Vol.2
【第2回】
2024年6月12日(水)11:00-13:00(オンライン)
■テーマ
劇団、カンパニーでの取り組みの事例報告を踏まえて成果と改善点を討議
■報告者
坂本もも(プロデューサー、合同会社範宙遊泳代表、ロロ制作)
中野成樹(演出家、中野成樹+フランケンズ主宰、日本大学芸術学部演劇学科教授)
※『舞台芸術活動と育児の両立について考える会』Vol.1 はこちら
2017年に出産し、3ヶ月で現場に復帰したという坂本ももさん。「いずれ子供がほしいと思っていたので、自分が抜ける期間どうしたら劇団が継続できるか、出産後もどうやって演劇を続けていくか、計画的に考えてきた」という。「あくまでも私個人が集団の中でプロデューサーとして大事にしていること、やってきたことの話」と前置きしたうえで、坂本さんが意識している3つの取り組みについて語った。
子どもがいるいないに関わらず、稽古スケジュールを立てる前にNGや参加しやすい時間帯をヒアリングし、なるべく希望を取り入れるよう意識している。座組全員の意向に沿えないという課題はあるが、子どもがいる人が参加しやすい時間帯に設定し、主催者側ができるだけアジャストするという方法をとっている。
「子どもが稽古場や劇場にいていい」ということを明確に座組の中で発信している。ただ受け入れるだけでなく、子どもにとって楽しい時間にする必要があり、親の仕事を理解してもらうことが親の働きやすさに繋がる。そのためお菓子やちょっとしたお土産をプレゼントしたり、美術や映像で遊んだり、席やスタッフパスを用意するなど、子どもも含めて座組みの一員であるというチーム作りを心掛けている。公演期間中は、関係者の子どもをロビーで託児したりもする。
これは昨年からトライし始めたこと。ツアーに同行する子どもの旅費やお弁当代を、子どもの保護者である関係者のギャラに含ませると、所得税が増え彼らの負担になってしまうので、できるだけ主催者が経費として支払うようにしている。
「子育てするアーティストを排除しないために―文化施設やレジデンスのためのガイドライン」を読んで知り、実践することにした。
(主催公演での「関係者託児」の様子)