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前年度から0.2%の微増にとどまる 文化庁が平成28年度予算案を発表
文化庁は、来年度(平成28年度)予算案の概要を発表した。概算要求時に新設要望のあった、オリンピック文化プログラムに関する「リーディングプロジェクトの推進」予算項目は無くなっており、予算総額は前年度から0.2%の微増にとどまる約1039億円となった。
昨年9月に発表された『平成28年度文化庁概算要求の概要』では、オリンピック文化プログラムに関する「リーディングプロジェクトの推進」に約13億円の新設要望がなされていたが、今回提示された予算案からは無くなっている。各府省庁の事業の無駄を点検する『行政事業レビュー』(計55事業対象、昨年11月実施)では「既存事業との目的の違いが明確でなく、資金配分についても過大であり、既存事業の範囲内で実施することを含めて再検討すべきである」と評価されており、予算要望を取り下げる形になった模様だ。
①文化プログラムに向けた推進体制の整備(約3億円)
「文化力プロジェクト(仮称 」の実行チームを民間のゼネラルプロデューサー、企画、広報、地域・大学連携、ファンド・レイジングのプロデューサー、文化芸術分野別のディレクター等で構成し、文化力プロジェクト(仮称)の認定、広報・PR活動、地方自治体や民間との連携等を推進する。
②ジャパンリーディングプロジェクト事業(約10億円)
実行チームのプロデューサーやディレクターを中心として、リーディングプロジェクトの企画立案を行い、現代舞踊、演劇、映画、伝統芸能、工芸、文化財、メディア芸術等の文化芸術資源を活用した、日本の顔となるようなクリエィティブな文化芸術活動を戦略的・効果的に発信する事業を実施する。
また同レビューにおいては「文化プログラムの実施については、オリンピック憲章では文化プログラムは組織委員会の義務とされていることを踏まえて、責任主体を明確化すべきである」ともコメントがなされている。
文化プログラムの進行スケジュールに関しては、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の平成27年度事業計画書の中で、「文化プログラム/教育プログラムのコンセプトを平成28年2月にIOC・IPCへ提出する」と記載されている。同組織員会は、昨年12月に第2回文化・教育委員会を行い、「文化・教育」分野のアクション&レガシープランの中間報告骨子について議論したという。1月25日に行われる組織委員会理事会に提案される予定だ。
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◇ 平成27年「秋のレビュー」全とりまとめコメント(PDF)|行政事業レビュー公式サイト
「行政事業レビュー」とは:各府省自らが、全ての事業を対象に執行状況を公表し、外部の視点を活用しながら事業点検を行うことで、予算の概算要求や執行改善に反映させる取り組み。詳細こちら