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“Siri”を用いた会話劇がグランプリに 「第4回クォータースターコンテスト」審査結果発表
全国から演劇動画を競う「第4回クォータースターコンテスト(以下QSC)」(主催:エントレ)では、5日都内にて結果発表および授賞式が行われ、百舌『N.O.A.』(愛知)がグランプリを受賞した。また優秀作品賞として、あやめ十八番『江戸系 猿踊』(東京)、ホリグチタイセイ『不適なロケーション』(東京)の2作品が選出され、その他各企業賞も発表された。グランプリには賞金30万円が贈呈された。
※写真左より、堀越涼(あやめ十八番)、下向拓生(百舌)、堀口泰生(ホリグチタイセイ)、敬称略
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「12分以上、15分以下」「カメラ1台で撮影、動画編集は不可」のルールによって撮影された「演劇動画」を競うQSC。4回目となる今年は、北海道から沖縄まで98作品の投稿作品が集まり、ノミネートに選ばれた12作品の中から審査員4氏による得票で、グランプリ・優秀賞が決定した。
今年のQSCは、昨年に続いて審査員を務めた行定勲氏(映画監督)が「みんな、めんどくさいことしてるなあ」と嘆息し、感心したというように、演出的・映像的な企みに富んでいて、かつしっかりと稽古を重ねたであろう、緻密で技巧的な作品が多かった。その中でグランプリに輝いたのは、“Siri”(アップルのiOS端末向け音声アシスタント)を用いた作品『N.O.A.』だ。恋人の復讐に向かうべく愛車に乗り込んだ男性と、“Siri”を思わせる端末(2台)とのやり取りによるSF会話劇である。
同作品で監督・脚本・撮影を担当した下向拓生氏は、普段は映画(ショートムービー)を制作しており「昨年のグランプリ授賞作(LINEを使った無人劇)と、平田オリザ氏のロボット演劇の存在に影響をうけて」本作品を創作したという。下向氏は「映画も演劇も好きで、どっちの良さも持った作品をつくれればと思い、演劇動画という枠組みについては、あまり身構えずに取り組みました」とコメント。同作品に出演した俳優の上山輝氏は「一人芝居という感覚は全然なかった」と語り、「“siri”とのやり取りは、ちょっとずれた人とのコントのような感覚もあって、会話劇だと思って演じていました」と撮影を振り返った。
■グランプリ:『N.O.A.』(百舌)
■優秀賞:『江戸系 猿踊』(あやめ十八番) /『不適なロケーション』(ホリグチタイセイ)
■げきぴあ賞:『N.O.A.』(百舌)
■彩高堂賞:『ON(OFF)-THE-RECORD』(福谷圭祐(匿名劇壇))
■観劇三昧賞 :『ここにいる』(N’S works)
■カンフェティの賞: 『ON(OFF)-THE-RECORD』(福谷圭祐(匿名劇壇))
■イーオシバイ賞 :『江戸系 猿踊』(あやめ十八番) /『十月二十日地鏡』あるい『RASHIN』(明日の能天気)
■BITE賞: 『みどりちゃん、もうすぐべーじゅちゃん。』(なかないで、毒きのこちゃん)
※BITE賞はノミネート選考結果発表の段階で発表済み
■鴻上尚史氏(作家・演出家)
1位:『N.O.A.』(百舌)
2位:『日常に紛れて見えない』(村田正樹)
3位:『不適なロケーション』(ホリグチタイセイ)
■行定勲氏(映画監督)
1位:『江戸系 猿踊』(あやめ十八番)
2位:『N.O.A.』(百舌)
3位:『ON(OFF)-THE-RECORD』(福谷圭祐(匿名劇壇))
■野宮真貴氏(シンガー)
1位:『N.O.A.』(百舌)
2位:『江戸系 猿踊』(あやめ十八番)
3位:『Killer Diller』(花掘レ)
■柏井万作氏(カルチャーニュースサイトCINRA編集長)
1位:『ここにいる』(N’S works)
2位:『不適なロケーション』(ホリグチタイセイ)
3位:『Killer Diller』(花掘レ)
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