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インタビューシリーズ:TALK 〜玉山悟さん〜

15.06/22

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限られた世界のようでいて、実はさまざまな職種・活動が存在する舞台業界。そこに関わる多様な人々にスポットをあて、お話を伺います。

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~これからの演劇人にお勧めしたいこと~
北区文化振興財団 文化振興課 ココキタ事務局 玉山悟(たまやま・さとる)さん

1998年のオープン以来、東京・北区の民間劇場である「王子小劇場」の代表を担ってきた玉山さん。今年の3月末にその職を辞して、東京都北区が設立したばかりの“芸術活動拠点”「ココキタ」の事務局員という、公共施設の運営担当業務に就いた。

若手劇団への取り組みで知られる王子小劇場時代は、劇団の創成期から目をかけて「環境を整備して宣伝に協力すると、どんどん伸びていく」成長曲線の急カーブに、幾度となく立ち会ってきた。自分自身を「演劇が好きで、演劇を評論・評価する場数をものすごく踏んで、その能力を評価されてきた人」だと分析する。「クリエイターでも技術者でも評論家でもない、その周辺で(自分の技術を)お金にできるという、最初で最後の世代じゃないかと思っているんです」。

これまでは「日本の小劇場演劇好き」が対象だったが、これからは北区の区民を、企画内容によっては「ココキタ」徒歩圏内の人たちを対象とすることになる。「財団の仕事はすべて、原議(稟議)書をまわして判子貰ってからでないと動かない」ことなどを「まずは一つ一つ、勉強しています」。文房具を購入するにも地元業者への発注が優先など、これまでとは全く異なる仕事の進め方を、新鮮に感じながらのスタートだ。

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公共施設には「意図しない使い方を、使う人が編み出す」という側面もあると考えている。例えば、北区の(旧中学校体育館を改修した)コミュニティアリーナは、全国的にも知られる「コスプレのメッカ」なのだそう!(驚いたことに、日本の殆どの貸し出し体育館は、コスプレ目的では貸してくれないそうです)。行政の公平性を維持しつつ、弾力的な落とし所を見出す事ができれば、「たとえば『高校生の自主上演のメッカはココキタ!』って流れは作れるんじゃないかな」と感じ始めている。

これからの演劇人は「公共と折衝する力を身につけることが肝要」だと、現職に就いていっそう強く感じるようになった。「公共の人たちがどういうルールに則って、何処をみて、何を大事にしているのかを、助成申請時やそれぞれの現場で貪欲に感じ、学んでいって欲しいと思います。絶対得になりますよ!」。(文:編集部 芳山徹)

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1974年生まれ、岩手県出身。

「行政が毎月発行する広報誌は、家賃格安の事務所情報とか、掘り出し物の情報が沢山載っているので要チェックです!私もこの年まで知らなかったのですが(笑)」。

【あわせて読みたい!】
◇ 廃校活用による「文化芸術活動拠点」〜「たなか舞台芸術スタジオ」「ココキタ」編〜

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◇ 東京都北区文化芸術活動拠点 ココキタ


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