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新長田で考える、ダンスをめぐる現場から(身体ごと投げだすかのように)/横堀ふみ vol.8

14.04/15

神戸の新長田に拠点(小劇場ArtTheater dB神戸とstudio dB KOBE)を構え、おもにコンテンポラリーダンスのプログラムを企画制作する「NPO法人DANCE BOX」の
横堀ふみさんの連載コラム!

新年度が始まりました。桜が満開の最中は昨年度の事業報告等の業務が重なり、今年も花見できず、車窓から花見気分を味わいました。
昨年度の新長田の様々なコミュニティの方々とご一緒した事業(当コラムでも紹介した「新長田野ダンス事情」「みんなのフェスティバル」等)を、年度が切り替わった今号で振り返りたいのですが、最終回にとっておきたいと思います。

今号では、まだここでご紹介できていなかったダンスボックスが発行しているミニ冊子「長田ルンバ」について、ご紹介します。
「長田ルンバ」は、2011年秋に創刊いたしました。
2011年夏に、講師に元エルマガジンの副編集長である竹内厚さんをお招きし「新長田から新しいメディアをつくろう」と題したワークショップを3度実施しました。(ワークショップの呼びかけ文は下記に)このワークショップに参加した殆どの人々が、「長田ルンバ」の編集員として、編集会議、記事作成、レイアウト等の全行程に取り組んでいます。
ダンスボックスのメンバーも関わり方の大小はありますが、「私たちはここでは徹底的に遊ぶ」をスタンスに、ほぼ全員が参加しています。

(ワークショップ 呼びかけ文)
「dB通信」を復活させる!から始まった当企画。 目線をダンスボックスから新長田に拡げ、大リニューアルしたdB発行のフリーペーパーをつくります。 そこで、第1号を、竹内厚(Re:s所属)をファシリテーターにお招きし、編集会議、記事作成、通信作成へと ワークショップ形式でステップを踏みながら発行します。そこで、記者を大募集します! ダンスやアートに興味のある方、なにか始めてみたい方、経験は問いません。新しいメディアを一から一緒に立ち上げませんか!?

さて、「長田ルンバ」の形態はいたってシンプルです。サイズは、A4サイズを縦半分に切り取った大きさ。表紙も入れて計11ページの記事を重ねて、上部をミシンで縫い合わせています。コンセプトは基本的には編集員ひとり1ページ担当。もしその号に記事を挙げることができなくても、1ページずつ独立しているので、そのページだけ飛ばしてもレイアウト上はどこにも迷惑をかけない構成になっていること。とてもシンプルです。だから継続できているのかもしれません。

最新号は先月3月末に発行されたばかりです。ページ構成を見ていただければ、私たちがどれほど遊んでいるのか!?お分かり頂けるかと思います。

①1ページ(表紙)〜3ページ:特集ページ 「劇場で野球を!」
②4ページ:たくみ&
③5ページ:粉モン化学工学「お好み焼きをトフで語る」
④6ページ:長田でデート大作戦
⑤7ページ:大谷燠のイクイク酔行記
⑥8ページ:寿荘はパラダイス!?
⑦9ページ:新長田情話
⑧10ページ:ON/OFF
⑨11ページ:新長田MAP

①1ページ(表紙)〜3ページ:特集ページ 「劇場で野球を!」

毎号、編集会議で激論!?を重ねながら、特集記事の内容を詰めていきます。今回は、「春と言えば野球、春と言えば甲子園」ということで、劇場で野球をしてみました。編集員・地元の方・国内ダンス留学生の混合の2チームが、3通りの異なるルールで野球を愉しみました。非常に盛り上がりました。「劇場での野球大会」はダンスボックスの恒例事業にしていきたいと考えています。前号は長田港でアナゴ釣り。最近は体験型の記事が増えています。

②4ページ:たくみ&

新長田在住のガラス作家の吉田延泰さん(編集員)が、新長田の匠(職人さん)を訪ねてインタビューします。今号は、家業ガラス屋さんを継ぎ、本町筋商店で「本町ものづくり工房」を運営している古館嘉一さん。古館さんは次号より「長田ルンバ」の編集員にもなる予定です。

③5ページ:粉モン化学工学「お好み焼きをトフで語る」

もともと塗布を行う会社で働いていたDr.オオニシ(編集員)が、理想のお好み焼きのソースの塗り方を化学的に分析しながら開発するページ。読者の好みがはっきり分かれるページです。

④6ページ:長田でデート大作戦

まだ現役の大学生の中村麻子さん(編集員)が、外国人と新長田をデートするレポート型のページ。毎号のお相手を探すのに苦労していますが、今号は「KOBE-Asia Contemporary Dance Festival #3」の参加アーティストのピアン君(ジャカルタ)。

⑤7ページ:大谷燠のイクイク酔行記

ダンスボックス代表の大谷が、新長田の人と出会い、飲み、語らう対談ベースのページ。伝説は、第1号で大谷がインタビュー開始1時間後に酔っぱらってしまい、その対談の殆どの記憶がない、という事態。さすが我らが代表、見習っていきたいと思います。

⑥8ページ:寿荘はパラダイス!?

ダンスボックスに来られた殆どのゲストが滞在するゲストハウス寿荘。滞在者に使い捨てカメラを渡して、新長田の気になったところを撮ってもらうページ。今号はチェルフィッチュの岡田利規さん。これまで黒沢美香さん、Sachiko Mさん等、豪華な面々が登場しています。

⑦9ページ:新長田情話

今号からの新ページ。地元のおっちゃん達のコーラスグループ「ビッグ腹ダイス」のメンバーである山本さん(編集員)、そしてDr.オオニシのパートナーである緑さん(編集員)による構成です。山本さんが見て聞いた「新長田のほっこり話」を緑さんが漫画化するというもの。なかなか味わい深いページになりそうです。

⑧10ページ:ON/OFF

写真家の小椋善文さん(編集員)が、ダンスボックスに出入りするアーティストやスタッフのONの時とOFFの時とを撮影するというもの。「長田ルンバ」が輪転機で刷るという印刷のクオリティの低さが残念ではありますが、様々な表情を見せてくれます。

⑨11ページ:新長田MAP

毎回テーマを決めて、新長田の各所を紹介するページ。今号は、「ビッグ腹ダイス」のメンバーの山本さんお勧めスポット。

ちなみに私は2ページ以降の右下にあるパラパラ漫画!?のルンバちゃんのイラストを書いています。

編集会議は、大体夕方から。最終的には飲み会になっていますが、これもいろいろと悪巧みするための大切な時間。効率のよいことを出来る限り排して、無駄や蛇足なように見えることを楽しむ時間。この時間が豊かだなぁと思うのです。 

そして、「長田ルンバ」を密かに待ってくれている人も徐々に増えて来て、さりげに増版しています。
「長田ルンバ」をご購読希望されます方は、ダンスボックスまでご一報ください!
(info★db-dancebox.org ★を@に)できれば、ここに10部ほど置けますよ!といったようなご提案であれば、送料無料でお届けできます。



写真:倉科直弘

■横堀 ふみ(よこぼり・ふみ)■
NPO法人 DANCE BOX プログラム・ディレクター/制作
平成18年度文化庁新進芸術家国内研修制度研修員。平成20年度ACC(Asia Cultural Council)のグラントを得て、約6ヶ月間にわたり、アジア6カ国とNYにおいて舞台芸術の実態調査を実施。おもにアジア間におけるネットワークの構築を目指し、レジデンス・スペースや劇場、フェスティバルのディレクターらとの交流促進を行っている。


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