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制作者4人が振り返る。ままごと『わたしの星』

14.10/21

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制作者4人が振り返る。ままごと『わたしの星』

“出演者は高校生のみ”でありながら、ままごとの劇団本公演として、計12公演という規模で行われた『わたしの星』(8/21~31@三鷹市芸術文化センター 星のホール)。稽古が佳境に入る時期(7月末)にもインタビューを行った、宮永琢生さん(ままごと|ZuQnZ)、森元隆樹さん(三鷹市芸術文化振興財団)、森川健太さん(三鷹市芸術文化振興財団)に、ままごと制作の加藤仲葉さんを加えた制作者四人に、公演終了後1か月を経て、改めてお話を伺った。(編集部:芳山徹)

<今回お話を伺った、制作者四人の『わたしの星』でのクレジット>

製作総指揮:宮永琢生さん(ままごと|ZuQnZ)
制作統括:森元隆樹さん(三鷹市芸術文化振興財団)
制作:森川健太さん(三鷹市芸術文化振興財団)、加藤仲葉さん(ままごと)

昼の部から真っ先に完売していった(森元)

-改めて、今回の公演の枠組み(日程等)はいかがでしたか?
森元隆樹さん

森元:事前に宮永さんと懸命に想像力を働かせて(※)日程を組んだのですが、驚いたのは、土日のみならず平日も、昼の部から真っ先に完売していったこと。また、高校生の体力面を配慮して、途中2回の休演日を設けるなど工夫をしたのですが、やはり初日を迎えるまでが大変で、初日明けに皆の疲れのピークが来ていたので、初日から数日間の公演日程をもっとゆるやかにすれば良かったなという反省があります。ですから、初日から1週間後の昼夜公演の間に、客席最前部のベンチシートで折り重なるように寝ていたのを見て、やはりかなり疲れているんだなと心配しました。途中から声が枯れてしまって、舞台上ではちゃんと声が出ていましたけど「本番以外では一切喋らない」って頑張っていた子もいました。

※ままごと劇団員である端田新菜が、高校時代に女子高校生キャストのみの公演『転校生』(平田オリザ作・演出/1994年)に出演しており、『わたしの星』の企画を詰める際の、経験的な拠り所になったという。
=青山円形劇場プロデュース「第8回青山演劇フェスティバル」での公演。尚、同公演には吉田小夏(青☆組主宰)、桑原裕子(KAKUTA主宰)、山谷典子(文学座)なども出演していた。
森川健太さん

森川:高校生以下のお客様や、親子でのご来場が非常に多かったです。昼の部が早々に完売したのはそのためかもしれません。高校生のリピート来場も沢山あり、顔を覚えてしまった子も(笑)。来場者数全体に関して言うと、劇場側で想定していたよりもずっと順調でしたし、多かったです。最終公演では(当日券の)整理券発行枚数が60枚を超えていました。

トライ&エラーの間隔がすごく短かった(加藤)

-稽古場や作業場を見学させて頂き、加藤さんの存在感が際立っていたように感じました。
加藤仲葉さん

加藤:私があわあわしているのを見て、あの子たちが「しっかりしなきゃ」って思ったのかも(笑)。特に高校生スタッフには、何もやることが無い状態にはしちゃいけない、ということをずっと考えて、試して、というのが続きました。それと、予想通りではあったのですが、「どんなことしたい?」と尋ねると、音響/照明などというのは出てくるのですが『制作』というのは出てこない。自分たちがしていることを、どこから説明しようかと悩みました。それと「キャストの子たちが一番の状態でいられることをやるよ」ということ。言葉にはしなかったかもしれないけど、常にそう振る舞おうとはしていました。

-高校生スタッフの五人はいかがでしたか?前回のインタビューでは、森川さんから「ままごとのスタッフワークがレギュラー化していることが、高校生スタッフの受け入れが可能だと考えた大きな要因だった」と伺いました。

宮永琢生さん

宮永:舞台監督・美術・音響・照明・衣装の各スタッフに、かなり早い段階から今回の企画を説明し、協力を要請していました。高校生スタッフには、制作の仕事も、演出部の仕事も、美術や衣装の補助の仕事も、本当に色々とやってもらいましたね。忙しかったですよ、あの子たちは(笑)。叩き場でも作業をしたし、本番舞台袖での仕事(木を揺する、など)もあったし、アイロンがけとか、ご飯を炊いてもらったりも。なるべく固定せず、作品に関わるいろいろな部分に触れてもらおうとしてました。

森川:高校生たちの「これやってみたい」という気持ちに対して、劇団としての受け入れ態勢が整っていたため、高校生たちのやる気がそがれなかったように思います。

加藤:スタッフみな、「高校生に担当してもらう場をつくる」ことに協力的でしたが、それでも最初は大変でした。どのくらい手伝うと過保護で、どのくらい手伝わないと放置なのか?っていうのをずっと探していました。本当にトライ&エラーでしたね。それこそ、小屋入りしてからやっと「このくらいかな」というところが見えてきたという感じでした。それと高校生たちは、本当に一分一秒ごとに変わっていっていたので、そのトライ&エラーの間隔がとても短かったように感じます。大人同士でやっているときとは時間の感じ方が違いましたね。

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