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【社会における芸術・文化の役割とは】平田オリザ著「新しい広場をつくる―市民芸術概論綱要―」岩波書店より刊行

13.10/17

平田オリザ著「新しい広場をつくる ― 市民芸術概論綱要 ―」が17日、岩波書店より発行された。定価1,995円(本体 1,900円 + 税5%)。

昨年、大阪市長が文楽への補助金凍結を表明したことで話題となった、政治による文化支援。同書では「芸術に関わる者は、なぜある種の芸術分野に公的な支援が必要なのか、より明確に市民に示さなければならない」という視点から出発し、社会における芸術・文化の役割とは何かを考察している。

特に同書で重要視しているのが、文化資本の地域間格差問題。戦後、「国土の均衡ある発展」を掲げていながら、人や物資の流れの面で首都圏と地方との間にある依存関係・非対称性が生じていることをふまえ、国内外を飛び回ってきた平田氏の経験をもとに、問われる文化の自己決定能力とその可能性を模索していく。

また、岩波書店公式サイトでは、「編集者からのメッセージ」として、「新しい広場をつくる」という同書のタイトルについても言及。宮沢賢治を題材とした井上ひさしの作品『イーハトーヴの劇列車』のセリフ、「ひろばがあればなあ、どこの村にもひろばがあればなあ。村の人びとが祭りをしたり、談合をぶったり、神楽や鹿踊をたのしんだり、とにかく村の中心になるひろばがあればどんなにいいかしれやしない」を引用しながら、「思えば広場のなかった日本に、鑑賞だけではなく自ら参加し交流する文化の場、創造と発進の拠点をどのように作るか。生活や社会における芸術の役割を考え実践した巨人の精神的系譜に連なりつつ、深く考えること――これが本書のタイトルの由縁です」と説明している。

同書は岩波書店サイトAmazonほかにて取り扱い。

◎インフォメーション◎
『新しい広場をつくる ― 市民芸術概論綱要 ―』
平田オリザ著

■体裁:四六判・上製・カバー・240頁
■定価:1,995円(本体 1,900円 + 税5%)
■発行日:2013年10月17日
■コード:ISBN978-4-00-022079-8 C0095

【目次】
まえがき
第一章│芸術そのものの役割
第二章│コミュニティの維持,再生のための芸術の役割
第三章│新しい広場を作る──文化による社会包摂
第四章│文化の自己決定能力
第五章│憲法について
第六章│社会における劇場の役割
第七章│劇場法と,その先へ
第八章│stateになるために
あとがき


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