制作ニュース
- 「くものうえ↑↓せかい演劇祭2020」企画発表
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20.04/12
「ふじのくに」から「くものうえ」へ 自宅から参加可能な「くものうえ↑↓せかい演劇祭2020」企画発表
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、開催中止となった「ふじのくに⇄せかい演劇祭2020」は、同演劇祭のコンセプトである「演劇によって地域と世界が直接つながり交流する」ことを可能な限りの手段によって実現する「くものうえ↑↓せかい演劇祭2020」(World Theatre Festival on the Cloud)を、中止となった会期期間中に開催する。この度、新たに公式ロゴと企画の一部が公開された。
関連サイト⇒「くものうえ↑↓せかい演劇祭2020」(World Theatre Festival on the Cloud)
公式プログラムではコア企画として「せかいとつながる くものうえトーク」(全5回)を開催。「ふじのくに~」で作品を上演予定だった演出家たちと宮城聰(SPAC芸術総監督)が、本来の演劇祭の開催期間(4月25日~5月6日)にオンライン上で語り合う。そのほか、上演予定だった作品の映像配信等も検討中で、さらにSPAC俳優・スタッフが自ら考案・製作したプログラムなども今後も続々と追加予定だ。また、上演予定だった『おちょこの傘持つメリー・ポピンズ』では、現在、Web会議ツール“ZOOM”を使用したオンラインでのトレーニングや稽古の様子を、毎日同じ時間帯に公開している。
宮城はホームページのコメントの中で、本来の舞台芸術の定義は“生身の人と人が向き合うこと”であるが、物理的に切り離された中で「演劇を断たれた状態でどうやって生き延びるか」を、皆さんとともに発明しようと思う、と語る(要訳)。
現在、多くの団体の公演中止が相次ぐ中、インターネットでのライブ配信や過去作品の映像公開などを通して、作品上演を試みる団体が増えている。本来の舞台芸術の理想的な観客との繋がり方や創作上の課題はありながらも、可能な限りで各団体が工夫を凝らし様々な取り組みを模索している。そんな中、今回の配信型という新しい演劇祭のスタイルや、遠隔での稽古公開などの試みが、今、この状況下において、舞台芸術のあり方の可能性をさらに広げる機会となることを期待する。