制作ニュース

Next舞台制作塾オープンサロン

14.09/12

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Next舞台制作塾」(運営:有限会社ネビュラエクストラサポート)は、8月25日(月)・26日(火)の2日間、第5回オープンサロン「事例紹介と実践で知る、対話型ワークショップの可能性」を開催した。立場や環境の異なる制作者が語り合い、それぞれが抱えている課題のヒントを見つけるきっかけにしていくことを目的とした「オープンサロン」、今回は「コミュニケーションと対話」をテーマに開催、ゲストに平松隆之さん(劇団うりんこ)、白川陽一さん(Keramago Works)が登壇し、「事例紹介編」「体験編」という二本の軸から、「対話型ワークショップ」について考察した。(編集部:大澤歩・芳山徹)


Next舞台制作塾 第5回オープンサロン
「事例紹介と実践で知る、対話型ワークショップの可能性」

□日程: 8月25日(月) ・26日(火)
□ゲスト:平松隆之(劇団うりんこ)/白川陽一(Keramago Works)
□会場:Nextセミナールーム


■8/25 <事例紹介編>トーク『劇場からはじまる「対話」の作り方』

SPACという場の力が生み出したもの

第一日目は「事例紹介編」として、まずは平松さんから昨年・一昨年と静岡県舞台芸術センター(SPAC)で開催された2泊3日のワークショップについて、話を伺った。(※)

劇団制作者である平松さんと、ワークショップの企画・計画や運営を行っている白川さんは、このワークショップでファシリテーターを務めた。ワークショップは「SPAC主催」として開催されたが、当初は平松さんと白川さんが「演劇活動をする上でそれぞれが抱いている悩みを解決するためにはどうしたら良いか」を考えていく中で生まれた個人企画だったという。

「『SPAC主催企画』となったことで、静岡だけでなく東京から参加した方、また『演劇』以外の活動をしている方の参加もあり、幅広い層が集まった。個人の企画ではできないことができた」と平松さんは言う。

この日のオープンサロン参加者の中には、昨年のSPACでのワークショップにも参加したという方もいた。「SPACでは、自分の中の感覚の扉がばんばん開いて、自分の内面が溢れ出る感じだった。以前、別の対話型ワークショップに参加したことがあったが、そのときはそういう感覚はなかった。カフェや野外の舞台芸術公園などがあるSPACという場の力や、ファシリテーターが作り出す雰囲気、テーマ設定、そして参加者が素敵な人ばかりだったことが大きかったと思う」と、合宿での体験を語った。

(※)SPACでの合宿の様子は、「制作手帖×ON-PAM地域協働委員会インタビュー企画 地域のシテン『静岡から社会と芸術を考える合宿ワークショップレポート&インタビュー』にて詳しく紹介しています。
劇場が行う対話型ワークショップの可能性 前編
劇場が行う対話型ワークショップの可能性 後編

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ホールシステム・アプローチの有用性とは

続いて、白川さんより「ホールシステム・アプローチ」というワークショップの手法について説明があった。

●ホールシステム・アプローチとは >>

もとは組織変革の手法として取り入れられたという「ホールシステム・アプローチ」。中でも、『ワールドカフェ』『オープン・スペース・テクノロジー(OST)』の二つのプログラムは、ここ最近、様々なシーンで取り入れられている。

対話を重視する「ホールシステム・アプローチ」が今、なぜ注目されているのか?白川さんは「『過去の経験』から未来を描くことができなくなった(未来が過去の延長線上にあるものではなくなった)」「組織のあり方が『トップダウン』ではなく、メンバーの意見を考慮しながら組織全体で物事を考えるという方向へと変わってきた」などといった背景があると解説する。

また、「一般的に」と断りを入れたうえで、「『ワールドカフェ』は、アイデアを拡散させる、参加者全体のアイデアをミックスするために行われることが多く、『OST』は自分たちの問題意識にそって、収束させていきたいときに行うことが多い」と説明。実際、SPACではそのように進行していったという。

とはいえ、「『ワールドカフェをやりたいからやる』ではダメ」と白川さん。「何を目的としているか、ファシリテーターは何をしたいか、参加者にどういうことを体験してもらいたいか、それらを照らし合わせたときに、それをもっとも実現できるワークショップの方法を考えることが大事」と語った。


【「ホールシステム・アプローチ」とは】

組織や分野の境界を越えて、できるだけ多くの関係者が集まって自分たちの課題や目指したい未来について話し合う大規模な会話の手法の総称。参加者の話し合いを重視することで組織としての一体感を高め、共通の価値観を見いだすことが期待でき、対話が必要とされる場において活用されることが多い。「ワールドカフェ」「オープン・スペース・テクノロジー(OST)」などの手法がある。

〈ワールドカフェ〉
テーブルごとに小グループにわかれ、フォーマル会議ではなく、「カフェ」のようなオープンな雰囲気の中で話し合う。メンバーチェンジを何回か行うことで、多くの人と情報の共有ができ、多くのアイデアが生まれたり、人間関係をつないだりすることができる創造的な話し合いの方法。

〈オープン・スペース・テクノロジー(OST)〉
参加者が話してみたいテーマを掲げ、「この指とまれ」方式でメンバーを募集。他の参加者は自分が関心のあるテーマごとに集まり話し合う。参加するかどうかは、それぞれの意志にまかされており、途中で他のテーマに移動するすることも可能。参加者自らが発信していく、自立的な話し合いの方法。

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