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高校生キャストによる劇団本公演。ままごと『わたしの星』企画実現の経緯とその狙い

14.08/04

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2009年に三鷹市芸術文化センター星のホールで初演された、ままごと『わが星』。その姉妹作品にあたる、ままごとの新作公演『わたしの星』が、高校生のみのキャストで、8月21日より劇団の本公演として上演される。その企画成立の経緯などを、製作総指揮を務める宮永琢生さん(ままごと|ZuQnZ)と、三鷹市芸術文化振興財団の森元隆樹さん、森川健太さんにお話しを伺った。(井の頭公園稽古場にてインタビュー/編集部:芳山徹)


『わたしの星』に出演するのは、オーディションで選ばれた高校生10名。高校生スタッフ6名と合わせて、ままごとの“大人”の制作陣とともに、稽古場に詰めている。劇団員は出演しないのだが、いわゆる“発表会”ではなく、あくまで「劇団ままごとの本公演」として、なんと全12公演という規模で行われる。このような大胆な企画が、どのような経緯で成立に至ったのか。

伺ったところ、企画成立に至るまでに、大きくは二つの事案があった。
〇劇場側から、ままごとの本公演を高校生のみのキャストで、と企画提案がなされ、その当初より2週間程度の上演規模で検討されていた。その後、劇場と劇団でどのような公演にするか相談していったが、その中には『わが星』の再々演を高校生キャストのみでというプランもあった。
〇劇作家である柴幸男本人から、『わが星』の姉妹版をやりたいという発案があった。

ままごとの宮永さん曰く、「近年、『あゆみ』や『わが星』は高校演劇での上演機会も多いのですが、戯曲の構造上の問題で高校生たちが自分たちのオリジナルの作品にまで昇華出来ないのではないか、といった事を高校演劇での上演を見る度に柴と話していて、、、だから今回は、【高校演劇のスタンダード】を創る、という自分たちにとっての挑戦なんです。そこに照準をしぼって、強い戯曲を書き、全国の高校演劇に取り組んでいる高校生たちが上演しても彼ら自身のオリジナルとして成立する作品を立ち上げたいと考えました」とのこと。

3月締切で募集が行われ、定員であるキャスト10名、スタッフ5名程度に対して、キャストが50名超、スタッフは16名のエントリーがあったという。オーディション/スタッフ面接を経て選ばれた高校生たちの稽古の模様は、特設サイトに随時アップされている。稽古の写真と合わせて、「打合わせ記録」「稽古記録」を記した用紙のスキャンデータも投稿されており、どちらも高校生スタッフが仔細に記入し、そこに柴さん本人によるコメントが追記された形で公開されている。宮永さんは「高校演劇のスタンダードを、ということにも繋がるのですが、『わたしの星ができるまで』という形でこれらを残すことで、いわば【戯曲とガイドブックがセットになったようなもの】をつくる事が出来るのではと考えています」と語る。

インタビューの最後に、森元さんは「高校生とか中学生が見てくれて、すごい!とか、俺も頑張んなきゃ!とか、同世代がここまでやってる!と感じてくれたら嬉しい。それが演劇のすそ野を広げることになったり、演劇に携わらなくても、何か元気になる起爆剤になったりしたら本当に嬉しい。その為にこの夏をささげています」と語った。

『わたしの星』公演は8月21日(木)から31日(日)まで、三鷹市芸術文化センター星のホールにて。尚、8月17日(日)には、公開稽古「公演直前の稽古風景を観てみよう!」が行われる。定員100名(要事前予約)、入場無料。

◎関連サイト◎
劇団ままごと「わたしの星」|三鷹市芸術文化振興財団


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