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観世流の活動拠点である「観世能楽堂」(東京都渋谷区松涛)が、東京都・銀座の松坂屋銀座店跡地を中心とする再開発地区に建設中の複合ビル内へ移転することが、17日付けの朝日新聞デジタルにて報じられた。現能楽堂は能舞台移設のため15年3月で閉鎖。移転までの公演は他の能楽堂で行う。ビルは16年8月末に完成予定で、新能楽堂は秋に地階に開場する見込み。
同施設は1972年に建てられ老朽化が進んでおり、大地震への耐震構造を備えるには巨額の設備投資が必要なうえ、住居専用地域で建て替えも難しいことなどから、観世流の「観世会」(理事長・観世清和=観世流二十六世宗家)が売却を決めた。銀座という繁華街への移転で、観客の高齢化が進む能に若者らが親しみやすくすることも狙い。
新しい能楽堂は座席数など現能楽堂(552席)と同規模の予定。観世理事長は「銀座は2020年の東京五輪で外国人にアピールするにも最高の立地」と語り、初心者も楽しめる能公演の工夫と共に、ヒノキ舞台に保護材を張り、結婚式など能楽以外の催しにも貸し出す計画で、「立地を生かして柔軟に活用し、親しまれる能楽堂をめざす」という。
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