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【慰問公演中の広島で被爆】新劇女優・仲みどりさんのカルテ発見

13.08/05

1945年8月6日、広島に投下された原子爆弾によって被爆し、世界で初めて「原爆症患者」として認定された女優の仲みどりさん(享年36歳)のカルテの一部が発見された。8月4日付朝日新聞が報道した。カルテには、被爆から18日後に亡くなった仲さんの容態が詳細に記されているという。

仲みどりさんは1909年東京生まれ。新劇の女優として築地小劇場、苦楽座に参加。太平洋戦争中の1945年、移動演劇隊「桜隊」として、軍需工場など全国各地を慰問してまわった。同年8月、巡業先の広島市で被爆。劇団員の半数以上は即死だったという中、一命を取り留めた仲さんは東京に戻るも、体調不良で東京大学病院に入院。被爆から18日後に死去した。

今回発見されたのは、カルテのうち、治療歴や血液検査の結果、体温などの記録と、担当医がまとめた診療の経緯一覧。当時の関係者の遺族が、遺品を整理するなかで発見、朝日新聞が東京大学に取材し、仲さんの記録の原本と確認したという。

神谷研二・広島大学原爆放射線医科学研究所教授によると、仲さんの症状や爆心地の距離などから「(100%致死的な)8千ミリシーベルト以上の被曝」とみられるようだ。

なお、移動演劇桜隊については1988年に『さくら隊散る』(新藤兼人監督)で映画化、1997年に『紙屋町さくらホテル』(作・井上ひさし)で舞台化されている。


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